ドゥブロヴニクの旧市街はこぢんまりしており、車両は原則乗入れ禁止。
階段も多く、移動は徒歩が基本です。
宿泊地が旧市街から離れている場合、旧市街までは路線バスの利用が便利。
今回は旧市街内外を含め、ドゥブロヴニク市、市内全域の交通手段についてまとめます。
iStock. by Getty Images ポートフォリオ:Mari_mjx
Instagram Profile:@marimjx
旧市街内の交通
旧市街への車両の乗り入れは、特別な許可がある場合を除き、禁止されています。
そのため、旧市街内の移動は基本的に徒歩。
旧市街に入ると、足元は石畳。
摩耗してツルツルになっているところと、不揃いでボコボコしているところとありますので、スニーカーとまではいかなくとも、歩きやすい靴、滑りにくい靴がおすすめです。
雨の日は滑り止めのついた靴を。
ちゃんとした食事だったり、コンサートだったり、結婚式だったりでおしゃれをする必要があって、ピンヒールで旧市街を歩くことはありますが、歩くのにこんなに緊張することがあったかと思うほど緊張します。
滑るし、隙間にヒールが挟まるし、その結果ぐねるし。
ヒールをはくにしても、ほどよいチャンキーヒールにしておいたほうがいい。
また、ドゥブロヴニクは基本的に階段でできている街だと思ってください。
かなりのアップダウンがあるので、動きまわる際は身軽に行くのが一番です。
旧市街外・ドゥブロヴニク市内:ローカル路線バス、リベルタス
ドゥブロヴニクの路線バスの運行会社は、Libertas Dubrovnik(リベルタス・ドゥブロヴニク)という会社。
そしてざっくり言うと、リベルタスの路線バスは、定額料金制の市内バスと、距離に応じて料金の変わる郊外バスの 2 種がある形になっています。
定額料金の市内バス路線は、一律料金 15 クーナで、ドゥブロヴニク市内に張り巡らされたバス網を利用できるシステム。
料金は、バスの運転手さんにお金を払う場合は 15 クーナですが、乗車前にキオスクなどの売店でチケットを購入すると、割引されて 13 クーナになります。
なおこのバスチケット、バスに乗って、チケットリーダーに読み込ませた時から1 時間弱、有効です。
方向は不問なので、違う路線に乗り換える時も同じチケットが使えますし、なんだったら行き帰り両方にも使えます。
グルージュ港の朝市に行って、ちゃちゃっと野菜など買って 1 時間以内に旧市街に戻るといった時はたいへん便利。
バス停に大きな路線図と時刻表がはってありますが、個人的にはリベルタスの公式サイトのほうがわかりやすかったです。
時刻表はこのページ、路線図はこのページで確認できます。
時刻表は意外と正確ですが、過信は禁物です。
バスが早く行ってしまう、遅く来る、ということもあるので、余裕をもって移動しましょう。
ただ、利用者の多いライン(旧市街とグルージュ、ラパド、バビンクックなどを結ぶラインなど)は本数もかなりあるので、10 〜 15 分くらいの待ち時間でだいたい来ると思っても大丈夫。
ピレ門前のバスロータリーには電光掲示板があって、何分に何番のバスが来るかわかるようになっていて便利です。
旧市街外・ドゥブロヴニク市内:タクシー & Uber
複数人での移動、お急ぎの時、それに楽に移動したい時などはタクシー、そして Uber の利用が便利です。
タクシーは流しのものでも、ホテルやバスターミナルなどで客待ちしているものでも、日本と同じような感覚で利用することができます。
料金は、空港から旧市街までが 280 〜 300 クーナくらい、長距離バスターミナルから旧市街までは 75 クーナくらいです。
バスターミナルには大体いつもタクシーが停まっていて、「10 Euro(ユーロ)」という定額で旧市街まで行くというサインを出しています。
これ、メーターをつけてもらうより安い良心的な価格。
Uber は、個人が登録ドライバーとして自分の車でお客さんを運ぶ、日本で言う白タクのようなもの。
クロアチアでは違法ではなく、市民の足として定着しつつあります。
また、数年前に法律が変わり、Uber ドライバーになるには、個人タクシー的な登録を政府に対してきちんとする必要があることになったので、今では Uber で車を呼ぶと「Taxi」のサインが出た車が来ます。
Uber は、ユーザがドライバーのレビューをすることができるため、Uber の車の方が、普通のタクシーよりキレイです。
Uber を使う場合は、スマートフォンのアプリを使い、まず乗車地と目的地を入力します。
すると、周辺にいるドライバー/車と、運賃が表示されるので、適当なドライバーを選んでオーダーします。
過去の利用者のレビューも確認できるので、優秀なドライバーを選んでお願いすることも可能。
なお、通常、Uber はクレジットカードを Uber アプリに登録しておき、ドライバーとの金銭のやりとりはないことになっています。
しかし、クロアチアではなぜか事前合意した金額を現金で支払います。なかなか新鮮。
Uber の利点は他にもあり、乗っている間、ルートやかかっている時間、料金を自分のスマホのアプリでリアルタイムでチェックできるのもありがたい。
メーターをつけるどころか、どのルートを通っているかも一目瞭然なので、遠回りされた場合や、ドライバーさんが迷ってしまった場合もすぐに指摘・確認できます。
その他に、ドライバーが約束の場所に来ていないのに、うまく会うことができず、「ドタキャンされた」とお金だけチャージされたりすることがあれば、Uber アプリから事情の説明と返金手続きをすることもできます。
世界的にはあまりうまく行っていない Uber ですが、クロアチアのやり方はとても上手だと思いました。
全車、政府にどこの誰がドライバーをしているか把握されているので、犯罪行為などあればすぐ足がつく状態になっていますし、税金もしっかりとれますし、ドライバーさんは自分の車を使ってビジネスもできますし。
Uber が上陸した直後は、タクシー業界と Uber が大激突したこともあったのですが、今は非常にいい形で、両方の質の向上につながっています。
旧市街外・ドゥブロヴニク市内:徒歩
ラパドやグルージュから旧市街、ちょっと遠いですが歩くことも可能。
旧市街にはいる手前の坂の部分は見晴らしがよく、ベンチなどもあってちょっとした展望台気分も味わえます。
グルージュの港(長距離バスターミナルのある場所)から旧市街までは 40 〜 50 分程度。
旧市街の城壁を一周するよりも短い時間しかかかりません。坂が多く、荷物をもっての移動は大変なのでおすすめしませんが、身軽な状態であればお散歩ついでに行けてしまう距離です。
道中、地図などの表示はあまりありません(バス停にある程度)。
ただ、「Old City」に徒歩マークのついた標識が、いかにも迷いそうな感じの三叉路など、いいポイントに出してあります。
標識を頼りに進んでもいいですし、スマートフォンの地図などを使うようにするなどしてもよいでしょう。
親切な人が多いので、道を尋ねると皆さんだいたいきちんと教えてくれます。
また、治安は概してよいので、夜間歩いていても基本的に問題はありません。
自転車
自転車については、貸出をおこなっている現地ツアー・旅行会社がいくつかあります。
また、宿泊先によっては、レンタサイクルサービスを提供している場合もあります。
…が、いずれにしても、旧市街に自転車を乗り入れることは禁止されています。
また、ドゥブロヴニク周辺は特に自転車に乗る環境が整っているわけではありません。
坂が多く、自動車の運転も荒いので、自転車に乗る時は十分な注意が必要です。
ヘルメットの着用も忘れずに。
なお、近隣のツァヴタットを含むコナヴレ地方まで行くと、山沿いや海岸沿いを走る眺めのきれいな自転車用コース(*ハイキングコースも)がたくさんあります。
マウンテンバイキングが好きな方は、ぜひそちらまで足を伸ばしてみてください。
マウンテンバイクツアーだけでなく、マウンテンバイクで行くワイナリーツアーなどもあります。
この場合は、ツァヴタットまでバスやフェリーで移動し、現地で自転車を借りることをおすすめします。
レンタカー
レンタカーサービスもドゥブロヴニク周辺には多くあります。
ドゥブロヴニク空港を利用する場合は、空港周辺にレンタカー屋さんがたくさんあるので、そちらを利用すると便利です。
しかし、一点、大きな問題が。
それは、駐車場です。
ドゥブロヴニクは駐車スペースが非常に限られていて、地元住人以外の人は、観光客用の駐車場にしか車を停めることができません。
旧市街には車では入れませんので、旧市街に宿泊する場合は、宿泊費用と別に駐車場の費用がかかります。
ハイシーズンには駐車場が見つからないことも多いので、旧市街に滞在し、近隣を観光するのであれば、その滞在期間は車を借りない方がよいと言えるでしょう。
車で近隣地域へ足をのばす予定のある方は、旧市街外の駐車場付の宿泊施設を選びましょう。
ソベやアパルトマンでも、郊外であれば、駐車場つきのところはけっこう多いです。