ドゥブロヴニクのワインバー: Wine Bars in Dubrovnik

「アドリア海の真珠」と呼ばれ、紺碧のアドリア海に映える美しい城壁で知られるクロアチア最大の観光地、ドゥブロヴニク。実はこのドゥブロヴニク、ワイン産地に挟まれるという恵まれた立地にあり、ワイン好きの探究心を満たしてくれるデスティネーションでもあります。

今回は、そんなドゥブロヴニクで、クロアチア産ワインを思い切り楽しめるワインバーをご紹介します。


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ドゥ・ヴィーノ・ワイン・バー: D’Vino Wine Bar

ピレ門から旧市街に入り、ちょっと行ったところのスルジ山側の路地(パルモティチェヴァ通り: Palmotićeva Ulica)にある D’Vino Wine Bar。
小さいお店ですが、わかりやすい場所なので迷わず行けます。

D’Vino では、グラスでオーダーできるワインがなんと 50 〜 60 種!
また地元ワインのお試し飲み比べセットなどもあり、色々試したい人にとっては、ここ、最高です。

さらに、こちらは小規模な生産者や、農家が自分用に作ったワインなどの提供に力をいれていて、他で見たことのないレア物が豊富に取り揃えられています。
さらに、もちろん有名どころもしっかり揃っているので、リスクを避けて確実に美味しいものだけ飲みたいお友達と一緒でも、心置きなく一人アドベンチャーが楽しめます。

D’Vino は、何より、ワイン愛がビシビシ伝わってくる感じがたまりません。
チーズ、生ハム、オリーブなども良いものが揃っています。個人的におすすめ。

雰囲気としては、わりとこちら在住外国人の方がよく来るバーなので、地元の人とはいえ、多国籍です。
大人っぽいというか、小洒落た感じの人が多いめですかね。
若手の大人から年季の入った大人まで、落ち着いて楽しめるバーです。

あと、こちらはオフシーズンでも営業している可能性高し!
冬になると軒並みお店がしまってしまうドゥブロヴニクでは、これはとてもありがたいことです😊


マルヴァシヤ・ワイン・バー: Malvasija Wine Bar

ピレ門からストラドゥン(プラツァ通り)をルジャ広場方向に進み、スルジ山側の路地、ドゥロプチェヴァ通り(Dropčeva Ulica)を少し上ったところにあるマルヴァシヤ・ワイン・バー。
こちらでも、50 を超えるワインをグラスで楽しむことができます。

なお、お店の名前にもなっている「マルヴァシヤ」というのはブドウの種類。ドゥブロヴニク地方、特にコナヴレで栽培されている Malvasija Dubrovačka(マルヴァシヤ・ドゥブロヴァチュカ)という固有種です。
なお、こちら、イストリア半島で広く栽培されるマルヴァジア(Malvazija)とは別物。

マルヴァシヤ・ワイン・バーでは、このマルヴァシヤ(白)を始め、クロアチア産の Vranac(ヴラナッツ、モンテネグロの代表的なブドウ種。クロアチア産のものは珍しい)など、コナヴレのワインが広く揃えられています。
落ち着いてゆっくりワインを飲みたいときにおすすめ。

ちなみに、こちらのバーは、モンテネグロと国境を接するモルナットという村にあるワイナリーの直営です。
オーナーはクロアチアのワインメディアで「ボジョ・メトコヴィッチの伝説に迫る」といった特集が組まれたこともあるようなワインメーカーさんで、新しいブドウ品種やテクノロジーを導入したり、この地域には珍しいタイプのワインを作ったりと、とにかくこだわりを追求するタイプの方。

ボジョ・メトコヴィッチさんのワインは、これが気に入って買いつけに来るクロアチア国内外のレストランなどに直販していることが多く、市販はまずされていない幻のワインなので、ぜひお試しあれ。

マルヴァシヤ・ドゥブロヴァチュカ、もちろん年にもよりますが、この品種にここまでのポテンシャルがあったか、と思うような素晴らしいワインを出していますよ。
ロゼとスパークリングの出来も秀逸です。


ラゾノダ・ワイン・バー: Razonoda Wine Bar

ラゾノダ・ワイン・バーは、ドゥブロヴニク旧市街内の 5 つ星ホテル、プチチ・パレス内にあるワインバー。
ホテル内のワインバーだけあって、さすが、高級感あふれる雰囲気です。

こちらは「ワインバー」とは言うものの、ワインだけではなく、クラフトビールやラキヤ、コーヒーにお茶など、ホテルのラウンジでいただけるような飲み物は一通りそろっています。
ややお値段は高めですが、お酒の飲めないお友達と一緒でもゆっくり、優雅に時間が過ごせるのがおすすめポイント。

地元のワインだけでなく、クロアチアのクラフトビール革命を牽引するズマイスカ・ピヴォヴァラ(Zmajska Pivovara、竜のブリュワリーの名の通り、かわいいドラゴンのラベルです)のクラフトビールも飲めます!

こちら、フードメニューもなかなか充実しています。
そして、上記 2 ヶ所に比べ、混雑していないことが多いです。
ホテルだから入りにくいんでしょうか。

場所はグンドリッチ広場でたいへんアクセスがいいので、時間がないけれども、ローカルワインをちょっとだけ飲みたい…といった場面でも便利です。


バクス(バッカス)・ワイン・バー: Bakus Wine Bar

こちら、もともとは「マトゥシュコ・ワイン・バー: Matuško Wine Bar」といって、ペリェシャツ半島のヴィナリヤ・マトゥシュコ直営でしたが、2020 年からオーナーが変わり、名前も変わりました。

こちらのバーは、ドゥブロヴニク旧市街のメインストリート、ストラドゥン(プラツァ通り)に並行する、レストランやカフェの並ぶプリィェコ通りにあるワインバー。
マトゥシュコ直営だった時は、ワインは基本的にマトゥシュコのものだけでしたが、現在はマトゥシュコのワイン以外も置かれています。

さて、こちらのワインバー、中に入ると、外からではわからない面白い特徴が見えてきます。

なんと、お店の奥が洞窟になっているんです!
この洞窟、ここにもともとあったものをそのまま活かしているんだそうです。

ドゥブロヴニクは岩山の斜面にある街なので、家を建てるにはまず整地が必要。
市街地のできた年代を考えると、遅く見積もっても数百 〜 1000 年くらい前には、この部分の整地は行われていたのではないかと思います。

その時に岩を砕かず、そのまま建物に取り込んだということなんでしょうか…。

真偽の程、そして現在お店の裏側がどうなっているのかは全くわからないものの、確かに自然な岩肌があり、洞窟で飲んでる感は楽しめます。
バーテンダーのお嬢さん方も美人ぞろい。

入り口だけ見ると、雰囲気的にちょっと入りにくいかもしれませんが、遠慮なく入って大丈夫なので、興味のある方は話の種にどうぞ。


スカラムーチャ・ワイン・バー: Skaramuča Wine Bar

スカラムーチャ・ワイン・バーは、上記のマルヴァシヤ・ワイン・バーのお隣にあるワインバー。
テラス(路地)席に並ぶ、ワイン樽を活用した座席が目印です。

こちらのワインバーは、ペリェシャツ半島のワイナリー、ヴィナ・スカラムーチャ(Vina Skaramuča)直営。
スカラムーチャは、クロアチア最高峰の赤ワインマイクロリージョンで、クロアチアで最初に EU の名称保護の対象(EU Protected Designated Origin、PDO)となった村、ディンガチに畑をもつワインメーカーの 1 つ。
上記のマトゥシュコもディンガチに畑があり、ご近所同士です。

しかも、スカラムーチャのワインは日本で買える!
見つけてしまいました、Amazon で(← クリックすると、Amazon でスカラムーチャを検索した結果のページがでるはず)!!
いや〜すごいですね〜。感動。

スカラムーチャのディンガチとポストゥプ(ディンガチに続いて PDO に指定された村)、こちら地元の友人イチオシしていました。
実際、プラヴァッツ・マリの最高峰と言われるディンガチの、らしさを味わえるワインではないかと思います。

ちなみに、マトゥシュコのものもディンガチらしいですけど、個性がまた違って、スカラムーチャの方がちょっと穏やかな感じのものが多いです(※プレミアムものはマトゥシュコのものもお上品で練れた感じになりますが)。

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