ヨーロッパを中心に、世界各国からの旅行者があつまるドゥブロヴニク。
宿泊施設もホステルやドミトリーから、中世の貴族の住居を改築したラグジュアリー感あふれる場所まで様々です。
今回は、ドゥブロヴニク旧市街、城壁内部にある宿泊施設のうち、ハネムーンやアニバーサリーで利用する方に人気の高い、ラグジュアリーな時間が過ごせるタイプのお宿をいくつかご紹介します。
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プチチ・パレス: Pucić Palace

プチチ・パレスは、旧市街内にある 5 つ星ホテル。
旧市街には、民泊の Sobe や Apartman はたくさんありますが、ホテルはほとんどありません。
5 つ星となるとなおさらなので、それだけで希少価値抜群といえるでしょう。
立地、サービス、建物、内装すべて素晴らしいですし、クラス感もあって、ハネムーンや結婚式のために訪れるカップルにもとても人気があります。
建物は、17 世紀に建てられた美しいバロック様式の建築。
朝市で有名なグンドリッチ広場に面しており、旧市街をベースにした観光にはピッタリです。
旧市街のちょうど真ん中に近い位置なので、言ってみれば、旧市街内の観光名所すべてがご近所に!
ちなみに、プチチ・パレスに併設のカフェ(Café Royal)、地中海&&インターナショナルレストラン(Defne)、およびワインバー(Razonoda Wine Bar)は飲食店としてそれぞれ人気があるので、遠出せずにゆ〜っくり過ごす休日、時間を持ちたい方にもおすすめ。
雨の日など、お部屋から降りてすぐのところで、雨の旧市街を眺めながら美味しいものをいただく時間はたまらなくいいものです。
また、プチチ・パレス滞在ゲストは、旧市街をプロチェ門から出てすぐのところにあるバニェ・ビーチのビーチクラブ(EastWest Beach Club)も利用することができます。
美しいビーチのサンベッドでゆっくりリラックスしたい方、ビーチクラブが営業しているシーズン中に滞在される場合はぜひそちらも行ってみてください。
プリィェコ・パレス: Prijeko Palace
プリェコ・パレスは、プリェコ通りの入り口付近にある、とても美しい建物。
もともとは往年のドゥブロヴニク貴族、イスソヴィッチ-ブラチ家の邸宅として 15 世紀に建てられました。
デザインはイタリアの建築家ジョルジオ・ダ・セベニコによるもの。
ドゥブロヴニク市内でも特に歴史的な価値の高い建物の一つです。
プリィェコ・パレスは、ドゥブロヴニク旧市街の大半が崩壊した 1667 年の大地震を始め、火事、地震、戦争などにより何度か大きな損傷を受けてきました。
幸運なことに、建物全体の崩落は免れ、応急措置的な修復が多く、特に大地震のあとは、抜本的な修復を行うことができない状態で数百年が経過しました。
この時の地震では、ドゥブロヴニク旧市街は甚大は被害を蒙り、地震前と地震後では街並みがすっかり変わってしまっています。
中世の街並が残っているとはいっても、ドゥブロヴニクの建物の大部分は地震後に再建されたものなんですね。
このため、ドゥブロヴニク大地震以前から残っている数少ない建物には、非常に高い歴史的価値があります。
そしてその中でもずば抜けて希少なのが、規模が小さく、公共の建物に比べて堅牢さに劣るため地震に弱かった個人宅。
プリェコ・パレスは、その希少な地震前の個人宅にあたります。
そのため、修復作業にあたっては非常に綿密な計画が練られ、実際の工事がはじまる前に、数年という膨大な準備期間が費やされたそうです。
修復(に向けた計画づくり)が始まったのは、なんとごく最近の 2012 年。
戦争が終わり、復興が始まる中で、こちらの建物もついに抜本的な修復が行えるようになったんですね。
宿泊施設としての歴史はその後から。
修復にあたり、こちらは部屋ごとに特定のアーティストをテーマとして内装を整えるという、ユニークな取り組みを取り入れたため、お部屋はクラシックになりすぎず、アンティーク家具とモダンアートがバランスよく取り入れられた居心地のよい空間ができあがっています。
なお、こちらの入り口はスタラ・ロザ(Stara Loza)というレストラン。
クロアチア語で「古い蔓」を意味する名前どおり、スタラ・ロザからプリィェコ・パレスの上階にむけ、古いブドウの木が伝って伸びています。
こちらのレストランは、ドゥブロヴニクのプレミアムレストランの一つ。
伝統的なレシピを現代風にアレンジした、ひねりのあるメニューが楽しめます。
レストランが集中するプリィェコ通りにあり、ホテル宿泊者ではなくても気軽に入れるので、宿泊はしないけどこちらに興味がある、という場合はぜひレストランの方を利用してみてくださいね。
セント・ジョセフス・ブティック・ホテル: St. Joseph’s Boutique Hotel
セント・ジョセフス・ブティック・ホテルは、16 世紀に建てられた建物を修復し、リノベーションして開業したホテル。
外から見ると、並びの建物と特に変わることのない、旧市街の路地裏の建物なんですが、中に入ると白を基調としたクラシックなテイストの内装で、なかなかギャップのある作りです。
上記 2 件よりほどのゴージャスさはないものの、その分各部屋にキチネット(ミニキッチン)もあり、中〜長期滞在するならこちらに分があるかもしれません。
場所はストラドゥンの脇道の内、一番大きなシロカ通りの 1 本先にあり、アクセス至便なのも魅力です。