ドゥブロヴニク旧市街の真ん中あたりにあるグンドリッチ広場。
こちらは、朝市が開かれることでよく知られていて、お土産ハンティング定番の観光スポットになっています。
朝市が終われば、広場は周辺のカフェやレストランのテラス席で埋め尽くされるので、食事のために利用する方も多いです。
今回は、そんなグンドリッチ広場をご紹介します。
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グンドリッチ広場とは
グンドリッチ広場は、ドゥブロヴニク旧市街のメインストリート、ストラドゥン(プラツァ通り)と並行するオド・プチャ通り(Ulica od Puča)、東側の端にある広場。
もともとは広場ではなく、建物が並んでいたそうですが、1667 年のドゥブロヴニク大地震で建物が倒壊したのを機に、今のような姿となりました。
現在のグンドリッチ広場は、中央に立つ詩人イヴァン・グンドリッチ像、広くテラス席を広げる数々のレストラン、そして朝市で知られています。
グンドリッチ像の背後には、Game of Thrones のロケ地として使われた、ファンにはおなじみの階段があり、これを登れば聖イグナチオ教会と、今は学校として使われている、イエズス会の大学だった建物があります。
観光スポット密集地なので、周りを気の向くままに散策しているだけでも、かなりの数の名所を見て回れるような場所です。
広場の名前の由来: イヴァン・グンドリッチ
イヴァン・グンドリッチは、共和国時代のドゥブロヴニクで 1589 年に生を受けた詩人・政治家。
バロック調全盛期のクロアチア詩人の中でも、特に優れた傑作をいくつも残しています。
グンドリッチ家はドゥブロヴニクでよく知られた名家。
政治家、外交官として活躍した父フランチェスコのもとで、イヴァン・グンドリッチも若い頃から頭角を現しました。
ドゥブロヴニク評議会に初選出されたのはなんとイヴァンが 19 歳の時のこと。
その後も何度も大、小両方の評議会議員となり、ドゥブロヴニクに隣接するコナヴレ地区の総督職も 2 度にわたって務めました。
政の傍ら、初めての詩集を出版したのはイヴァンが 32 歳の時のこと。
代表作にはドゥブロヴニク共和国の栄華を豊かな表現で謳いあげる「Dubravka(ドゥブラヴカ)」、ヨーロッパ対トルコの対立を通して東と西の二つの世界、そして自由と隷属の対立を描いた「Osman(オスマン)」などがあります。
広場の中央に立つイヴァン・グンドリッチ像を見つけたら、その足元の台座に注目してみましょう。
台座には、彼の詩の世界を代表する、次のようなモチーフが刻まれています。
- ドゥブロヴニク共和国とその自由(玉座に座った姿で描かれる女性像)
- ドゥブロヴニク共和国の繁栄を脅かすオスマン帝国(玉座に噛みつく竜)
- 永遠のライバル、ヴェネツィア共和国(玉座の下の敷物を噛むライオン)のレリーフ
旧市街内にある朝市
グンドリッチ広場は、ドゥブロヴニク旧市街の朝市開催場所としても知られています。
グンドリッチ広場の朝市は正午まで。
近隣の農家の皆さんが新鮮な農産物、自家製のハムやプロシュート、果物、オリーブオイルやラキヤ、ワインなどを持ってきて販売します。
おやつ向きのドライいちじく、ベリー類の盛り合わせ、それにお土産向きの小さなラヴェンダー製品やコナヴレの絹刺繍、ラキヤの小瓶なども買えるので観光客の皆さんにも人気です。
正午の鐘がなると、広場にいる鳩に餌をあげる慣習があります。
飛び交う鳩と銅像、旧市街が組み合わせられた、素晴らしい写真が撮れる一瞬。
ただ、すごい数の鳩がくるので、気管支の弱い人、鳥が嫌いな人は避けた方がよいですね。