​ドゥブロヴニク旅行の服装&持ち物

「何着て行こう?」「どんな靴が必要かな?」…これ、旅行準備で必ず出てくる重要ポイント。この記事では、ドゥブロヴニク近辺を旅行する際の服装、靴、バッグについてのおすすめをまとめます。


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ドゥブロヴニクの気候: 概要

ドゥブロヴニクは地中海性気候で、一年を通して比較的温暖。
しかしはっきりとした四季があり、夏は日焼けや熱射病対策、冬は防寒対策は必要です。
雪は、この地区最高峰のスニイェジュニツァ(Sniježnica、標高は覚えやすい 1,234 m)山頂付近を除き、まず降ることはありません。

 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
平均最低気温66811141821211814108
平均最高気温121314172125292825211714
平均気温91011141822252522181411
平均降雨量13912510410475482638101162198178

湿度は全般的に日本より低く過ごしやすいですが、日中と夜間の気温の差が大きくなりがち。

季節を問わず、急な気温の変化に対応できるよう、簡単に着脱でき、抱えたりたたんだりしてもシワになりにくいジャケット、さっと羽織れるストールやマフラーなどを持っておくとよいです。

雨の多い秋の終わり~春までは雨具を持参しましょう。
濡れた石畳は、場所によってはスケートリンク並に滑るので、滑りにくいゴム底の靴も必須です。

なお、雨具については、ドゥブロヴニクではビニールの雨合羽、それとドゥブロヴニクの絵柄の入った、デザインの可愛いビニール傘が簡単に入手できます。
天候に合わせて現地調達してもよいでしょう。

強風が名物!?南風と北風

ダルマチア地方には、名物となっている 2 種類の風があります。
それは、秋の終わりから春先にかけて、ユゴ(jugo)と呼ばれる湿った暖かい南風と、ブラ(bura)と呼ばれる冷たい北風。どちらも強風、時によっては暴風になります。

ユゴ、ブラが吹いている日は、ケーブルカーが運行停止になることがあります。
ケーブルカー乗り場までせっせと登って行ってから動いていない…というのは残念。
風が強い日は、先に観光案内所に立ち寄って運行状況を聞いてみるといいでしょう。

さて、南風ユゴは雨を連れてきます。そこで、肌寒い季節に、湿気のある生ぬるい強風が吹く日は要注意。雨具必須です。
また、ユゴの雨は豪雨になることも多く、旧市街の階段が一時的に滝と化すことも。
足元は非常に滑りやすくなるので、滑りにくいゴム底の靴で、濡れても変色したりしにくい靴は持っておきたいところ。

なお、ユゴは生ぬるく重く、どんよりするので、中世のドゥブロヴニク共和国では「ユゴの間は重要事項の決定はしない」という決まりがあったそうです。
頭が冴えていないといい結論がでない、ということで。

ただ、写真好きな方は、ユゴと遭遇したらラッキーかもしれません。
広い空、アドリア海をバックにドラマチックな雲と光が入り乱れる様は例えようもなく美しいです!
どこを見てもシャッターチャンスだらけ。

北風ブラは反対に、キーンと冴え渡った冷たい風。乾燥していて、肌を刺すような怜悧な風です。
頭も冴えて、よい意思決定はできそうですが、ブラの日はとにかく防寒対策をしっかりと!
実際気温も低くなりますが、冷たい暴風で体感温度は一層下がります。

さて、寒さとセットでやってくるこの北風ブラ、実は美味しいプロシュートを作るのに欠かせない風でもあります。
ダルマチアのプロシュートの旨味は、冬の間、ブラが吹き込む小屋で乾燥させないと生まれてこないそうです。

なお、ユゴ、ブラいずれも夏には吹きません。
夏はカラッと晴れた晴天が続くので、雨具はなくてもまず心配なし。

シーズン別アドバイス

1 月 ~ 4 月前半

  • 雨具
    • 必須
  • おすすめの服装
    • セーター
    • 厚手のコートやダウンジャケット
    • マフラーやストール

4 月中旬 ~ 6 月中旬

  • 雨具
    • 必須ではないがあると安心
  • おすすめの服装
    • 10 ~ 15 度の気温に対応できるジャケットやコート
    • マフラーやストール
    • 20 ~ 25 度の気温に対応できる薄手のシャツ
    • 薄手~中くらいの厚さのジャケットやパーカー
    • 水着(5 月後半 ~ 10月は泳げる)
    • サングラス

6 月中旬 ~ 9 月後半

  • 雨具
    • ほぼ不要
  • おすすめの服装
    • 15 度程度の気温に対応できる薄手のジャケット
    • ストール
    • 日本の夏と同様の服装
    • 水着(※旧市街内を水着でうろうろするのは禁止されています)
    • サングラス

9 月後半 ~ 10 月

  • 雨具
    • 必須ではないがあると安心
  • おすすめの服装
    • 10 ~ 15 度の気温に対応できるジャケットやコート
    • マフラーやストール
    • 20 ~ 25 度の気温に対応できる薄手のシャツ
    • 薄手~中くらいの厚さのジャケットやパーカー
    • 水着(5 月後半 ~ 10月は泳げる)
    • サングラス

11 月 ~ 12 月

  • 雨具
    • 必須
  • おすすめの服装
    • セーター
    • 厚手のコートやダウンジャケット
    • マフラーやストール

靴について

ドゥブロヴニクは、谷を挟んで両側がせりたった地形にあり、階段の多さランキングでクロアチア第二位につけている階段だらけの街。
旧市街は基本的に石畳で、毎年莫大な数の観光客の往来でツルツルになった地面は、雨の日はツルッツルになります。

そこで大事なのが靴のチョイス!
予定している活動に合わせた靴を持っていくのはとても大事です。

街歩き、市内&城壁の散策がメインの場合

街歩き、市内散策のみを予定している場合は、ある程度の滑り止めのついた靴であればなんでも OK!
ただ、国内でもツルッとした材質の地面ではちょっと滑るなあ(※雨の日の駅構内とか)、というレベルの靴だと城壁はきついです。

城壁はかなり階段が多く、距離もそれなりにあるので、滑りにくく、ヒールの高さも自分が歩きやすい高さの物を選ぶのが大事。
サンダルなどはあまりお勧めしません。

スルジ山ほか、周辺の未舗装の場所でのトレッキングをする場合

スルジ山は、ロープウェイで登るのであれば街歩きと同じ靴で大丈夫ですが、徒歩で登ってみたい(降りてみたい)方はある程度しっかりした運動靴必須です。

超本格的トレッキングシューズの必要はありませんが、足元は石、岩混じりの割と不安定な足場になっているのがダルマチア全域の共通の特徴。
きちんとグリップのきく靴を用意した方がよいです。

おしゃれなバー、レストランに行く予定がある場合

ある程度おしゃれなレストランやバー、またはナイトクラブに行く予定のある方は、それなりにきちんとした靴を持っていった方がいいです。

ちなみに、これについては、日本だと「旅行中はたくさん歩くから」ということで、海外旅行の靴は運動靴一択というおすすめをよく聞きます。
しかしこれ、地元友人からすると、「なんで日本人って街中で山登りの格好してるの?」と聞かれたことがあるくらい、奇異に見えるようですよ。

地元の方は、昼間はツアーガイドなどの仕事で動き回るので運動靴、T シャツだったとしても、夜のお出かけ前に一度家に戻り、襟のついたシャツ、ワンピースなどに着替えて、靴もいわゆる「ドレスシューズ」と呼ばれる靴に履き替えてくることが多いです。

なお、これは時間帯や場所で履き替えているわけではなく、どういうお店にどういう目的で行くかによるもので、同じ旧市街のお酒を飲む場所でも、アイリッシュパブやスポーツパブなどのカジュアルな場所と、お高めのワインバーなどでは靴のチョイスが全く違うわけです。

旅行中だと、なかなか服にあわせて毎回靴を履き替えるのも難しいかもしれませんが、何かしら履きやすく、でもそれなりにちゃんとして見えるものを 1 足用意しておくのがおすすめです。

海、ビーチに行く場合

日本と違い、クロアチアのビーチはそのほとんどが小石のビーチで、砂ではありません。

天然足ツボマッサージみたいなものなので、日本と同じ感覚で裸足になると、むちゃくちゃ痛いです!!!!
現地の人はなぜか平気な顔で歩いていることが多いですが、慣れていないと本当に痛いので、マリンシューズ全力推奨。

もちろんビーサンでもいいのですが、小石だと結構滑る(ビーサン自体が滑るのではなく、ビーサンの上で足がずるっと滑って不安定になる)ので、やっぱりマリンシューズ、サンダルでもストラップである程度固定されるものをおすすめします。

また、海の中はかなりの確率でウニがいるので、うっかり踏むと大変。
そういう意味でも何かはいておいた方がいいですよ。

バッグ、スーツケースについて

普段持ちあるくバッグ

ドゥブロヴニクは、近年では年間 200 万人近い観光客が訪れる一大観光都市でありながら、実体としては住民同士の結びつきの固い昔ながらの小さな街。
迷子になった犬だの、観光客がお財布をなくしただのという探しものの呼びかけが時々ラジオであり、ちゃんと見つかることが結構ある感じ(※両方実話)です。

何か変わったことがあると 3 代はネタにされる、と地元の人が言うとおり、いつもはいたってのんびりしていて治安がよいです。

そのため、普段持ち歩くバッグについても、ハイシーズン以外については、普段日本で使っているバッグをそのまま使って問題ありません。

ただ、ハイシーズン(7 〜 8 月)の間、特にクルーズ船が複数入港した日などは、旧市街内は大混雑になります。
また、色々な土地から色々な人がやってきますので、スリなどの犯罪も起こりやすくなります。

混んでいるお店で、お会計後についバッグを開けたまま、外に出ようと人混みをかき分ける…といったシーンが危ないようです。

ハイシーズンの日中に旧市街観光を予定している方は、念のため、ファスナーのついたバッグか、かぶせのあるバッグを選び、面倒でも毎回きちんとしめることを心がけると安心。
また、手荷物から目を離さないようにするなど、常識の範囲内での警戒心を持つようにしましょう。

ただ、ひったくりは聞いたことがないので、斜めがけバッグを選ぶ必要はシーズン問わず特にないです。
そのあたりはお好みでどうぞ。

スーツケース

旧市街付近に宿泊する場合、まず考えないといけないのは階段。
宿泊場所の位置によって、石畳で不揃いの階段を延々登らなくてはならなくなる場合があるので、それを想定したスーツケース選びが大事です。

ドゥブロヴニクは、ストラドゥン(プラツァ通り)を中心に南北にせりあがるような地形になっています。
平らなのはストラドゥン(プラツァ通り)からオド・プチャ通り(Ulica od Puča)あたりまでのごく限られた地域のみ。そこから離れるほど階段が多くなります。
また、運良くストラドゥン(プラツァ通り)付近の宿を取れた場合も、屋内の階段がけっこうきつかったり。

ご自分の宿の場所を確認し、ストラドゥン(プラツァ通り)から南北に離れている場合は、階段はあるものと考えて、自力で階段を超えて運んでいけるサイズ、重量を選びましょう。

また、空港までシャトルバスで移動する場合、バス停は旧市街の城壁の外にあります。
城壁を潜り、木製の橋を超え、階段を通って旧市街に入ってから宿へ…となることもあるので、旧市街内に滞在する場合はここも計算にいれておきましょう。

なお、旧市街外のホテルについては、基本的に車でそのまま乗り入れられるので、スーツケースはどんなものでも大丈夫。
ただ、ソベ、アパルトマンを始めとする民泊物件は、旧市街外でもかなりの階段を登る必要があるケースも多いです。

心配な場合は、事前に「Are there lots of stairs to get to your property?(階段はたくさんありますか?)」などと宿に質問し、確認してみるといいでしょう。

服装について

「現地に溶け込む」服装 → 不要

日本では、よく、「狙われないために、現地にとけこむ服装を」といったアドバイスを目にすることがありますよね。

しかし、ドゥブロヴニク(だけでなく、クロアチア全域、およびバルカン半島全体)には、そもそも日本人、ないしはアジア人の住人はほとんどいません。
つまり、…どんな格好でも目立ちます!😄

さらに、「日本人はお金持ち」だと思われていた時代はもう過去のものですし、スリなどは隙のある人がターゲットになるものであって、特定の国籍の人がターゲットになるわけではありません。
ですので、日本人に見えない(と本人が思う)格好をする意味はないです。

幸い、ドゥブロヴニクは、個人も団体も、世界中から観光客が来る街。
訪れる人は千差万別、思い思いの格好をしています。

地元の人も慣れていて、相当かわった格好であれば注目はしますが、特に気にすることもないです。お好きな格好で楽しんでください。
ちなみに、ある程度皆に注目される人は、むしろ皆が「なんだあれ?」と思って注目してしまう=スリのターゲットにはなりにくいですね。

ただ、現地にできるだけ溶け込みたい、または現地で素敵だと思われたいというお気持ちがある方は、クラシック、上品でシンプルな装いを心がけるとよいでしょう。
歴史の長いヨーロッパの国ではある程度共通かな、と思うのですが、上質でコンサバティブな装いは折々で必要になるものでもあり、全般的にうけがよいです。

ただ、いかにも「全部新品です!」という雰囲気はこなれない感じがあって不自然なので、着慣れて馴染んだものをお選びになると、なおよいかと。

ちなみに、ドゥブロヴニクの住民は経済的に余裕がある人が多く、文化的にも見栄っ張りなところがあるため、おしゃれ大好きな方、たくさんいます。
夜、総督邸前でコンサートがある時など、スーツにドレスでビシッと決めたカップルがたくさん集まってきて、とても格好よいのです!

全般的に、男性は男性らしく、女性は女性らしい、わかりやすい服装がよしとされる傾向が強いです。
オラついた格好やかわいい系の格好はあまり受けがよくありません。
大人っぽい格好がよろしいかと。

また、体型カバーのための重ね着は、日本人以外には寝間着のように見えるようですので、おすすめしません。
堂々としていればどんな体型でも美しい、自信が一番の美、といった価値観もあるので、カバーする必要もないかと。

また、華美、派手は「おしゃれ」ではなく「派手」という印象にしかならないので、全体を上品にまとめ、どこかでポイントをきかせるようなおしゃれの方がよいでしょう。

ざっくりいうと、イタリアで受けそうな格好はドゥブロヴニクでも受けますね。
日本でいうと、銀座でおしゃれな人はドゥブロヴニクでもおしゃれだと思われるのではないかと。

そして、これはドゥブロヴニクに限りませんが、きちんとした格好、きちんとした振る舞いをしていると、「よいサービスを提供するに相応しいお客さん」と認識され、それに見合うサービスが受けられるようになるもの。
せっかく遠路はるばる異国までいらっしゃるのであれば、最高の経験を得るためにも、日本なら当たり前にするような服装上の気遣いを海外でもするのが、意外と大事だったりします。

せっかくのヨーロッパ、しかも治安のよいヨーロッパの古都市ですので、TPO に合わせていろいろと楽しんでみてくださいね。

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