クロアチアでは、無花果(イチジク)はとても身近なフルーツ。
民家の庭からその辺りの木立、オリーブ畑など、とにかくあちこちで見かけます。
今回は、そんなクロアチアの無花果と、日本でも作れる無花果のジャムのレシピをご紹介します。
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クロアチアには無花果がいっぱい
クロアチアの人々にとって、無花果はとても身近なフルーツ。
都会ならいざしらず、郊外や田舎ではわざわざ買ってこなくても、そこらじゅうになっている果実というくらいの身近さです。
もちろん市場にも並べられており、「家の庭で育てた」とか「うちのおばあちゃんが作った」とかそういったコメントが売り言葉によくくっついてきます。
種類もさまざまで、熟しても緑色のままのものや、熟すと紫を通り越して黒に近い濃い色になるもの、コロンと小さく丸いものから日本で馴染みのある楕円形に近いもの、果肉もピンクから深紅まで、非常にバラエティ豊か。
外が緑、中がピンクでコロンと丸い小ぶりのものを特によく見かけるように思いますが、季節や地域によっても違いがあるようです。
生の果実が手に入るのは夏の終わりから秋にかけて。
それ以外の季節は、市場もドライ無花果一色になります。
クロアチアのドライ無花果はふっくらと柔らかく仕上げたタイプで、食感は干し柿や干しアンズなどに似ています。
日本でよく出回っているパッケージ入りのドライ無花果には硬い物が多いので、あれをイメージして口にすると、思わずびっくりしてしまうほど柔らかく、とても美味しいです。
なお、地元向けの市場で無花果を買う場合、キロ単位で売ってくれたりするので、旅行者としてはちょっと多すぎる…と思うこともありえます。
大型リースのような形に編み込まれた枝にドライ無花果がたくさんついているものなど、かわいいんですが、けっこうとてつもない量なんですよね。
日持ちはするので、小分けしておやつにしたり、旅仲間と一緒に食べたりするにはピッタリ。
栄養価も高いので、ハイキングに行く時などにもちょうどいいです。
なお、ドゥブロヴニクの市場など、観光客向けのアイテムが豊富に揃うところでは、お土産にちょうどいいくらいの量のパッケージもたくさんあります。
パッケージは小さく、値段は多少割高にはなりますが、これらも地元のおばあちゃんなどが手作りしたものを市場に持ってきて売っていることが多く、ちゃんと美味しいです。
栄養価も高いし、美味しいし、ふっくらだし、地元の人の手作りだし、もう言うことなし。
レシピ: 生無花果のジャム
無花果ジャムは、クロアチアではポピュラーで身近なジャム。
市販もされていますし、無花果が大量に手に入るご家庭だと、お家でつくることもよくあります。
作るのは簡単なので、レシピを載せておきますね。
材料
- 熟したイチヂク: 1 kg くらい
- 砂糖: 150 g くらい
- レモン汁とレモンの皮: 1 個分(ドゥブロヴニク名産のビターオレンジを使っても美味しい)
- シナモン: 適宜
- ラム酒: 大さじ 2 杯ほど
作り方
- イチヂクをよく洗い、荒く刻む(小ぶりのものなら 4 つ割くらいでよい)
- 砂糖、レモン汁、レモンの皮と一緒にイチヂクを鍋に入れ、弱火でコトコト煮詰める
- とろみがついてきたら味を見ながらシナモンとラム酒を加える
- とろ火でボタッとするまで煮詰める
- 煮沸消毒した瓶に少し余裕をもたせた状態で詰め、冷ます。
なお、好みによって途中で一回日を止めてザルで濾し、種を取り除いても OK です。
皮が気になる場合は皮をむいても OK。
家庭料理なので、おおらかに作ってみて、徐々に自分的ベストレシピを作り上げていくとよいでしょう。
パンにつけるだけでなく、パンケーキに添えたり、アイスに添えたり、チーズケーキに添えたりしてもすっごく美味しいですよ!
お肉とも相性がいいので、無花果ジャムをお肉を焼いた後のフライパンに落とし、少しワインを足して、ソースを作るのもおすすめです。
レシピ: ドライ無花果のジャム
なんと、無花果ジャムは、生のフルーツだけでなく、ドライフルーツを使っても作れます。
ドライ無花果でジャムを作る場合のレシピはこちら。
材料
- ドライイチジク: 400 g
- 水: 300 ml
- ダークラム: 大さじ 2 程度
- レモン汁: 大さじ 2 程度(ビターオレンジでも美味しい)
- ブラウンシュガー: 大さじ 2
- はちみつ: 適宜
- シナモン: 適宜
作り方
- ドライイチジクのヘタ(ヘタというか軸なんでしょうか?枝についていた硬い部分)を切り落とし、全体を細かく刻む
- ドライイチジク、水、ダークラム、レモン汁、ブラウンシュガーを鍋に入れ、柔らかくなるまでとろ火にかける
- 一度火からおろし、ミキサーかフードプロセッサでなめらかになるまで撹拌する
- 鍋に戻し、シナモンとはちみつを加えて味をととのえる
- とろ火でボテッとするまで煮詰める(ドライイチジクのジャムは生イチヂクジャムよりもしっかり煮詰めるのが一般的)
- 煮沸消毒した瓶に少し余裕を持たせて詰め、冷ます
お好みですりおろししょうがをちょっと加えてもぴりっとひきしまって美味しいです。細かく砕いたくるみなどを混ぜるのもおすすめ。
こちらも要するに自分好みの味になればいいので、自分で作る時は好きな感じになるよう色々調整しながら作ってみてください。
ドライ無花果でジャムを作ると、生の無花果で作ったものより濃厚で、ぼってりした感じのジャムができます。
これも様々に使えますが、個人的なヒットだったのはブルーチーズと合わせる食べ方。
めちゃくちゃ美味しいです。