ここ数年、連続して国際的なコンテストの上位入賞作品を続々と送り出し、良質なオリーブオイルの産地としての認知度が高まりつつあるクロアチア。
今回は、まだ日本では未発見と言ってよい、知られざるクロアチアオリーブオイルについてご紹介します!
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クロアチアのオリーブオイル
日本ではまだまだマイナーなクロアチアのオリーブオイル。
しかし、実はクロアチア、非常に長い歴史をもつ、由緒あるオリーブオイル生産地なんです。
なんと、青銅器時代の遺跡からオリーブの種が出土しており、当時から、オリーブが身近な食材だったようです。
しかも、それだけじゃない!
クロアチア産のオリーブオイルは、近年、世界のオリーブオイル愛好家の間で高い評価を受けており、国際的なコンテストなどでも最高ランクの賞を数多く受賞するオイルを輩出しているのです。
なんと、ここ数年連続で、クロアチアのイストラ半島は、「オリーブオイルのバイブル」と称される「Flos Olei」のカタログで、世界トップのオリーブオイル産地として選出されているのです!
受賞歴の例をあげると、たとえば、世界最大の規模と権威を誇るニューヨーク国際オリーブオイルコンペティション 2016(New York International Olive Oil Competition)。
26 カ国から 820 ものオリーブオイルを集め、品質を競いあったこのコンペティションで、クロアチア産オリーブオイルはなんと 3 種が金賞、6 種が銀賞を受賞。そしてクロアチア国内のオリーブオイル一大産地であるイストリア地方は、最高のオリーブオイル産地という評価も受けました。
また、日本で開催された国際エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル・コンペティション(International Extra Virgin Olive Oil Competition – Olive Japan 2016)では、600 種の中からクロアチアのオリーブオイル 10 種が受賞を果たしました(金賞: 9,銀賞: 1)。
クロアチア産オリーブオイルの入手方法
残念なことに、クロアチア産オリーブオイルは、日本はもちろん、実は、クロアチアのスーパーなどではほとんど売られていません。
その背景には、クロアチアの EU 加入があります。
EU 加入後、EU 各地の大量生産地から安価なオリーブオイルがクロアチアに流入するようになりました。
この結果、手作業が多く、手間暇をかけて作られる高級品であるクロアチア国産オイルは、あまりスーパーに置かれなくなってしまったのです。
実際現地に行ってみると、「Dalmacija(ダルマチア)」など、いかにもクロアチア風の名称がついていても、ラベルをよく見ると産地は「EU」になっているものが多いです。
そのため、クロアチア産のオリーブオイルを入手したいのであれば、スーパーではなく、市場や、専門店に行くのがおすすめ。
専門店としては、スプリット発のクロアチアブランド、Uje などに行くと、かなりの種類がそろっています。
また、観光客向けのお土産屋さんなどにも置いてあります。
空港の免税店もおすすめ!
ただし、空港については、クロアチア国内の空港は小さい事が多く、お店がほとんどないところもけっこうあります。
ザグレブ空港を使う予定があるなら、お買い物はザグレブ空港、と割り切った方がいいかもしれません。
高品質の秘密
クロアチアの国土は山がちで、しかも急峻でガタガタした地形が多いです。
そのため、機械を入れて大量生産ができる場所がかなり限られています。
そのため、必然的に、手摘みになってしまう場所がかなりあるんです。
イストラはある程度の広さの農地が確保できますが、より地形が複雑なダルマチアでは、オリーブ畑は山の斜面で小規模に行われているところが多くなります。
ちなみに、クロアチアは手作りラブ😍な国で、お料理も素材の味重視の素朴なものが多いです。
そして、オリーブオイルは、クロアチアの皆さんにとっては、日本人にとっての醤油的な立ち位置。
コクが足りないな…味にメリハリがほしいな…という時、日本人がつい醤油に頼ってしまうのと同じ感じでオリーブオイルをかけて味を整えます。
そのため、そういう、醤油的立ち位置のオリーブオイルには並々ならぬこだわりを持つ人もけっこう多い。
現地のお友達のお家に遊びに行くと、「田舎の親戚が手作りしてるんだよ」とか「市場のここの店のが一番なんだよ。〜産だよ!」など、オリーブオイルの美味しさアピールを受けることも😊
レストランでも、「オーナーの実家で作ったオリーブオイルだよ」など、自家製のオイルを使っているアピールを受けることがありますね。
ちなみにドゥブロヴニクでは、すぐお隣の自治体、コナヴレが農業地帯で、美味しいオリーブオイルが採れるので、地元の人でお庭が広い人などは、自分の家の分は自分でつくっていたりもします。
クロアチアのお料理、特にパンは、このおいしいオリーブオイルと一体になって初めて完成するような作りのものが割と多いです。
ですので、おみやげに買わないまでも、ぜひ、現地にいったら存分においしいオリーブオイルを楽しんでみてくださいね。
日本で買えるクロアチアのオリーブオイル
さて、クロアチアのオリーブオイル、ごく少量ながら日本にも輸入されています。
クロアチアでは、ワイナリーがブドウと一緒にオリーブを育てていることがよくあるので、ワインを輸入している業者さんがついでにオリーブオイルも輸入していたりするみたいです。
当サイト管理人も、オリーブオイル大好きなので、あちこちで実際買ってみています。
味見して買えるので、けっこうおすすめですよ!
実際買ってみて、リピしているところはこちらの 3 箇所(というか、これでメジャーどころほとんどだと思う…)。
- 美味しいクロアチア さん
- イストラの有名オリーブオイルブランドを扱っていらっしゃいます。オリーブオイルの品揃えはここが一番!
- トリュフオイルもとても美味しいです😍
- ヴァンドリーヴ さん
- 東ヨーロッパを中心に、オーガニックワインを輸入されている業者さん。クロアチアワインも、それ以外の国も、ワインのセレクションが素晴らしい。
- オリーブオイルはクロアチアの有名どころのものを扱っていらっしゃいます。
- アドリア・トレード さん
- クロアチアとスロベニアのワインとクラフトビールを輸入されている業者さん。ワインは日本では他に扱っているところのない、クロアチア北部のものも扱っていらっしゃいます。
- こちらは、Stina という、ダルマチアの新進気鋭のワイナリーのプレミアムワインを輸入されているのですが、そのワイナリーが作っているオリーブオイルも少量輸入しています。ダルマチアのオリーブオイルを輸入しているのは日本ではここだけかも。