ソべ、アパルトマン、ヴィラ…民泊先進国クロアチアで民泊を体験!

クロアチアは、毎年、人口のなんと 4 倍もの観光客が訪れる観光大国。もちろん、宿泊場所の確保、ルールの整備は国家政策レベルの重要課題です。

そんなクロアチアはヨーロッパ屈指の民泊先進国。今回は、クロアチアでの民泊についてお伝えします!


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民泊先進国、クロアチア

クロアチアには、毎年、人口の 4 倍近い 1660 万人(*2016 年のデータ)もの観光客が訪れます。
ちなみに、国土面積がクロアチアの 6.7 倍、人口が 31 倍以上ある日本の場合、2018 年頃からやっと訪日客が 3000 万人を超えたくらい。

大きさで言うと東北地方から 1 県抜いたくらい、人口で言うと東京都の人口の半分以下の国にこれだけの観光客が来ているのですから、これは相当すごいこと!

これだけの人数の観光客を支える必要のあるクロアチアにとって、宿泊場所の確保、宿泊関連のルールの整備は国家政策レベルの重要課題です。
そのため、クロアチアでは、民泊関連の法律が早い段階から整備され、現在では非常に広範囲に提供、および利用されています。
また、その分競争も熾烈なため、民泊のレベルは概して高く、きれいで交通の便もよく、インテリアやサービスにも力の入った個性的な宿が多く存在します。

実際、世界の中でもかなり早い段階から、国家の肝いりで民泊制度が確立されたクロアチアは、実は知られざる民泊先進国。
2014 年の統計によると、宿泊客のうち、民泊利用者の割合が EU で最も高いのがクロアチアだそうです。

そんなクロアチアでは、民泊は登録制となっており、ホテルと同様の星の数による評価も行われており、正規の民泊物件は、入り口に「Sobe」「Apartman」などのタイプと、獲得した星の数が掲示されていてすぐわかるようになっています。

また、クロアチアでは、外国人が宿泊する際は、宿泊場所を警察署に届ける義務があるのですが、必ずしも本人が申請をしなくても、ホテルなどの宿泊施設側が代理で申請をすることができます。
現在では、正規の民泊物件は、政府のシステムを通じてこの申請をスマホで済ませることができるようになっており、チェックインの時にパスポートの写真を 1 枚撮るだけで、この手続を完了することができます。


民泊の予約方法

現在、民泊物件の予約はインターネット経由が主流。

物件は、通常のホテルなどと同様、次のような予約サイトで探し、予約もすることができます(リンクを押すと、それぞれのサイトが開きます)

筆者は全部使ってみた結果、割と使いやすいと思ったのが Booking.com だったので、これを使うことが多いです。
ドゥブロヴニクの民泊であれば、リスト数も非常に多くため比較して選べるのも嬉しいですし、長期で宿泊することが多い筆者としては、こだわりポイント、例えば「洗濯機あり」という条件で絞り込みできるのもありがたい。

いずれのサイトも日本語になっているので(説明文は英語のままのこともあります)、予約そのものは比較的スムーズに行えるのではないでしょうか。
日付や人数はもちろん、キャンセルや予約変更に伴う料金などもしっかりチェックしましょう。

なお、宿泊先を選ぶ際、日本だと人数で宿泊料金が変わるところが多いですが、これは世界的にはマイナー仕様。
世界だと、多くの場合部屋の値段は決まっているので、同じ部屋に宿泊する人数が増えれば増えるほど、一人あたりの料金はさがります。
カップル、友達同士の旅行などだと、これは嬉しい仕様ですよね。

このタイプの旅に慣れると、あまり一人あたりの料金が累積していく料金仕様に魅力を感じなくなるので、もしかしたらこの辺の感覚の差は、日本のインバウンド観光の今後の発展にとっても大きなポイントになるのかもしれません。


民泊を利用する時の注意ポイント

クロアチアで民泊を利用する際、いくつか注意するとよいポイントがあります。
主なものとしては次の通り。

  • 支払い方法
  • チェックイン、チェックアウト方法
  • ハウスキーピングサービス

支払い方法

クロアチアの民泊案件では、クレジットカードでの支払いができず、現金払いを求められるところが多いです。
予約の際、クレジットカード情報の入力を求められる場合はありますが、これはドタキャン、ノーショウ対策のための保険的な位置づけで、必ずしもこれがそのまま支払いに使われるとは限りません。

そこで、予約の際、最低限必要な確認事項として、次のポイントがあがってきます。

  • キャンセル料はかかるのか
  • キャンセル料がかかる場合、何日前から、いくらのキャンセル料が発生するのか
  • クレジットカード決済が可能か、それとも現地で現金払いなのか
  • クレジットカード決済の場合、どのタイミングで請求が発生するのか

この内、最後の請求タイミングですが、これは物件ごとにけっこう違います。
多くは実際に現地に行き、宿泊した時に現金払いというパターンですが、キャンセル不可の物件などだと、なかには予約時点で請求が発生するケースもあります。

クレジットカード情報の入力画面が出てきたら、これは実際の決済なのか、それとも予約確保のための身元確認なのか、請求はいつなのか、しっかり注意して画面をチェックしましょう。


チェックイン、チェックアウト方法

民泊物件には、常時レセプション(フロント)があるわけではないところが、通常のホテルとの大きな違い。
チェックインをするためには、予め宿と連絡をとって、何時頃に到着する予定7日知らせておく必要があるのです。

この到着時間は、もちろん、2 時間程度の幅をもたせた目安でよく、それほど正確な時刻を伝える必要はありません。
宿の方も心得ているので、殆どの場合、予約した時点、あるいは到着数日前くらいに、「いつ頃着くか教えて」というメッセージをメール、または予約サイト経由で送ってくることが多いです。
こちら、必ず返信することをおすすめします。

なお、夜遅いフライトを利用する場合などについては、だいたい、セルフチェックインになることが多いです。
キーケースなどに鍵を入れておいてくれて、暗証番号を教えてくれるような感じですね。

この場合は、暗証番号を使って鍵を入手して、そのまま中に入ればそれでおしまい。
パスポートの確認など、法律上必要な手続きのため、翌日、または滞在期間中のどこかのタイミングで宿の人がやってくる感じになります。

ちなみに、上で筆者が使っているとお伝えした Booking.com だと、スマホアプリや Web サイト上で、プルダウンメニューで時間が選べるようになっているため、いちいちメッセージを書かなくてすんで便利です。


ハウスキーピングサービス

民泊物件については、ホテルのような毎日のハウスキーピングサービスはありません。
ただ、連泊する場合は、掃除もしてほしいし、シーツやタオル類も替えてほしいですよね?
トイレットペーパーがなくなったり、ゴミがたまったりすることもあるでしょうし。

こんな時は、遠慮なく宿の人に頼みましょう。
滞在期間がそれなりに長い場合は、宿の人のほうから申し出てくれることもけっこうあります。
ちなみに、筆者の今までの経験だと、3 〜 4 日に 1 度くらいの間隔で掃除をお願いすることが多いですが、特に追加料金を請求されたことはありません。
ホテルと同じように、外出時していたら合鍵で入って掃除してくれるので、お部屋にいなくても大丈夫。

なお、お掃除はアルバイトの方が低賃金でされていることが多いので、筆者はお掃除をお願いした時は 10 〜 20 クーナくらいの少額を「Thank you for cleaning :)」などと書いたメモを添えて、心付けとして置いておくようにしています😊

知り合いの学生さんで、実際にアルバイトでこういった掃除をしていた方がいるんですが、ドゥブロヴニクの階段をものともせず、大きなタオルやシーツの塊をかかえて登ったり降りたりして、きちんと真面目に掃除もしっかりしているのを見ているので、ほんのちょっとだけど、これでコーヒーでも飲んでね、というところですね。
ちなみにこの知り合いは、掃除バイトを通じて素晴らしい掃除スキルが身についたため、お家もいつもものすごくキレイです。


民泊のお部屋の種類

クロアチア語で「部屋」は「Sobe(ソベ)」と言います。

「ソベ」は文字通り部屋貸しで、建物の一角がホテルのような感じになっていて、ドアを開けた先さらに内廊下があり、そこに続く各部屋をホテルのような感じで貸し出しているタイプが多いです。
バス・トイレは多くの場合各部屋についていて、その他に共有スペースに簡単なキッチンなどがあるところもあります。

「Apartman(アパルトマン)」は要するにアパートメントで、バス・トイレ、それにキッチン(または小さいキチネット)がついている感じです。
洗濯機つきの物件や、ダイニングルームのある物件などもそれなりにあり、中・長期滞在むき。

ただ、上記区分は必ずしも絶対的なものではなく、予約サイトでは明記もされていないので、部屋を予約する際は、必ず設備を確認して、何があって何がないのかをチェックしておきましょう。

また、この他に、一部屋にベッドがたくさんあって、他のお客さんとシェアをするドミトリー、または一戸建てをまるごと貸し切るヴィラなど、様々なタイプが存在します。

ちなみに、ドゥブロヴニクについて言うと、正直、ドミトリーを選ぶ意義はあまりないんじゃないかと思います。
「ドミトリーやホステル = 安い」という思い込みで、最初から的を絞る方もおられるようなんですが、ドゥブロヴニクの場合、個室とドミトリー、あんまりお値段変わらないのです…。

価値観の問題ではありますけれども、1000 円、2000 円足せばバス・トイレ付きのきれいな個室がいくらでも探せるので、なにもわざわざ見知らぬ人とのシェアをする必要はないような。
また、複数人で旅をする場合は、一人頭いくらのドミトリーより、一部屋いくらで借りて折半するほうが確実に安いですしね。

また、ドミトリーとは逆にラグジュアリー方向にいくと、ドゥブロヴニクの旧市街から少し離れると、プール付きのヴィラや、小さなビーチをプライベートビーチ的に満喫できたりする宿、または執事さんやコックさんも一緒にまるっと借りられるところなどもあります。
どんなニーズにもだいたい応えられる感じで、さすが何世紀にもわたって世界のセレブリティに愛されてきた場所は違うな、と思わざるをえない。

そういえば、筆者の知り合いが、某ハリウッド俳優がドゥブロヴニクのすぐそばのゴージャスなヴィラを借りてしばらく滞在していた時、そこで召使い的なバイトをしていたそうですが、「ちょっとアレ買ってきてもらえない?」的なお使いをしたらチップ 500 ドルくれた、と言っていました。
いいなあ。

…まあ、更にガチのセレブになると、大型ヨットやクルーザーで乗りつけてくるので、ヴィラにすら泊まらないんですけどね😁
例えば、イングランド、プレミアリーグ チェルシーのオーナー、ロマン・アブラモビッチさんなど、この辺が好きなようで、年に数回メガヨット、エクリプス号でやって来てはツァヴタットの近くにヨットを泊めてしばらく滞在していますが、そういうパターンの方もけっこういるのがドゥブロヴニクです。


アメニティについて

アメニティがついているかどうかは、部屋がいくつ星かで異なっているようです。

星なし〜 2 つ星でも通常はあるものとしては、タオル類、トイレットペーパー、ハンドソープ、ヘアドライヤー。
2 つ星くらいからは、さらにお茶やコーヒーを置いてくれているところが多いです。
3 つ星以上だと、ハンドソープだけでなくシャワージェルやシャンプーもあるところが多い。
4 つ星以上だと、シャワージェル、シャンプー、コンディショナーに綿棒やコットンなど細々したものが色々ついてきます。

その他、洗濯機があるところは基本的に洗剤も置いてくれていますし、キッチンがあるところは、お茶、コーヒーのほか、塩、砂糖などの調味料もある程度置いてあり、食器類や調理用具も一通り揃っています。

場合によっては、星にかかわらずウェルカムドリンクとしてジュースを冷蔵庫に入れておいてくれたり、クッキーを置いておいてくれたり、場所によってはワインをくれるところもありました。
ワインは、小瓶のところもあれば、普通サイズでどーんと 1 本のところもありましたね。

面白いところでは、旧市街のど真ん中あたりにあり、周りに飲食店が多くてうるさいから、と耳栓を用意してくれていたところもありました。
それと、イースターの日に、イースターでお店がほとんどしまっているから、とイースターにちなんだ食べ物を用意してくれていたところも!


民泊利用時に役立つ会話・フレーズ

民泊を利用する時に役に立つフレーズをまとめておきますね!
宿の方とやり取りする時に参考にしてみてください😊

  • Hello, I’m arriving around 18:00. Let me know how I should check in. Thank you.
    • こんにちは、到着予定時刻は 18 時ごろです。チェックインはどうすればいいか教えて下さい。よろしくお願いします。
  • Do you accept credit card for payment?
    • クレジットカードは使えますか?
  • Can I pay with euros?
    • ユーロでの支払いはできますか?
  • Hi, can I get the room cleaned? I’d like extra toilette rolls as well. Thank you.
    • こんにちは、お部屋の掃除をお願いできますか?ついでにトイレットペーパーを余分に持ってきてもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。
  • Hi, how can I settle the payment? Please advise. Thank you.
    • こんにちは、支払いはどうすればいいですか?教えて下さい。よろしくおねがいします。

 

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