【レビュー】ドゥブラヴカ 1836 レストラン・アンド・カフェ(ドゥブロヴニク旧市街)

ドゥブラヴカ 1836 レストラン・アンド・カフェは、ドゥブロヴニク旧市街の入り口、ピレ門の入り口付近にあるカフェレストラン。眺めがよく居心地もよい、人気のあるカフェです。

今回は、思わず長居したくなってしまうこの「ドゥブラヴカ 1836 レストラン・アンド・カフェ」のレビューをお届けします。


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創業はなんと江戸時代!

ドゥブラヴカ 1836 レストラン・アンド・カフェ、その名前の示すとおり、創業は 1836 年。
実に 185 年近く前ということになります!

この時代は、日本でいうと江戸時代後期の天保にあたり、皆さんも歴史で習った天保の大飢饉があった時代ですね。
ヨーロッパすごいな。

さて、ドゥブラヴカ創業当時のドゥブロヴニクがどんな様子だったかというと、実は激動の時代のな只中にありました…。

ドゥブロヴニクは、もともと独立した共和制の都市国家で、周囲の国や地域がオットーマン帝国(オスマン・トルコ)門下に下りイスラム圏となる中、唯一のキリスト教国家として数百年に渡りしぶとく生き残ったユニークな歴史を持っています。

そんなドゥブロヴニク共和国の命運が尽きたのが、実はドゥブラヴカの創業に先立つこと約 30 年。
ちょっと意外かもしれませんが、ナポレオン・ボナパルト率いるフランス帝国によって、共和国の歴史は終わりを告げたのです。

ナポレオン戦争も終焉に向かう 1806 年、ちょうどドゥブロヴニク共和国を挟む形で、フランス軍とロシア軍が対峙していました。
緊迫する情勢のなか…、地元の皆さんのお話では、「フランス軍が『ドゥブロヴニクは攻撃しないからちょっと通らせて』というので通らせてあげたらそのまま乗っ取られた」ような形でフランスに併合されてしまった、ということだそうです。
なので、いまだにドゥブロヴニクでは「フランスは嘘ばっかり」という人が多い 笑

ただ、ごぞんじの通りフランス帝国は短命に終わったため、1815 年には、ドゥブロヴニクは他のクロアチアの大部分と一緒に、今度はハプスブルグ帝国に併合されることとなりました。

でも、これでやっと平和が…と思ったら、歴史はそういう方向には動かず、第一次世界大戦の勃発とオーストリア・ハンガリー帝国の滅亡により、ドゥブロヴニク、クロアチア、そしてバルカン半島は激しい戦乱の時代に巻き込まれていくことになります。
ドゥブラヴカは、そんな激動の時代の間に一時訪れた、短い平和な日々にできたカフェ、ということになるんですね。

今は、建物のいたる所に創業当時の面影を残しつつ、つい 25 年ほど前まで続いた激動の時代が嘘のような、平和な佇まいを見せています。
苦労した分、少なくともあと 300 年くらいは、戦乱の憂き目をみることなく営業を続けてほしいものですね。


テラスから要塞が 3 つ見える!おすすめ絶景ポイント

要塞が 3 つ見えます!絶好の写真スポット

ドゥブラヴカ 1836 レストラン・アンド・カフェは、前述の通り、ピレ門のすぐ脇にあります。
姉妹店である高級レストラン、Nautika と同様、高台にあるため、テラスからの眺めがとてもいいんです!

まず、眼下には透き通った小さな入り江。
入り江を挟んだ反対側の高台には、誇らしくそびえるロヴリェナツ要塞
カフェの建物を背にして左手を見れば、ドゥブロヴニクの城壁からちょっと飛びだした、ずんぐりした円筒形のボカール要塞。
くるっと振り返り、スルジ山の方向に目を向けると、ピレ門と、その先にはドゥブロヴニク旧市街を取り囲む城壁の最高地点であり、ドゥブロヴニクの要塞の中で最大の攻撃力を誇るミンチェタ・タワー

ドゥブロヴニクを代表する景色を、コーヒーを飲んだりご飯を食べたりしながら堪能できる場所、けっこうレアです。
お向かいの Nautika よりお財布にもずっと優しいですし、ごはんも普通に美味しいので、ドゥブロヴニク訪問記念に一度いかがでしょうか。

管理人の母は、ドゥブラヴカで食べたイカのグリルが気に入って、日本帰国後も「あのイカは美味しかった」とドゥブロヴニクの話が出る度に言っていますね😊

ちなみに、ドゥブラヴカのすぐそばのピレ門は、前がバスロータリーになっており、ツアー集合場所の定番地点。
集合時間よりちょっと早めに行って、こちらで一息つくのもおすすめの使い方です。


ドゥブラヴカのメニュー

名物チョコレートケーキ、Torta Dubravka

ドゥブラヴカはカフェレストラン的な場所なので、お茶だけの利用も OK、ご飯も OK です。
コーヒーの類は 18 Kn から 30 Kn 程度。
クロアチアには珍しく、デカフェのコーヒーがあるのも、国際色豊かなお客さんには嬉しいポイントですね。

ラム入りの紅茶、アイリッシュコーヒーなど、アルコール入りの飲み物はちょっと高くなって 30 〜 35 Kn 前後。ビールは 30 〜 50 Kn、グラスワインは 30 〜 70 Kn 前後でした。

デザートは 50 Kn 弱くらい。メインコースは 80 〜 200 Kn くらいなので、ドゥブロヴニクとしてはまあ普通の価格帯なのではないかと思います。
別に安くはないけど、特に高いわけでもない、というとこですね。
場所や歴史を考えると、食べに来る価値はあると思います。

お味は当たりさわりなく、普通に美味しいです。
何か特別にどうということはないけれど、お腹いっぱいになって、満足して「おいしかったー」と言えるタイプの味。
味つけはシンプルで素朴、凝らない感じの良さがあります。
パスタ、ピッツァ、サラダ、魚料理、肉料理など一通りなんでもあるのも便利です。


アクセス

ドゥブラヴカは、ドゥブロヴニク旧市街の城壁、ピレ門に入るための橋の入り口付近にあります。

ピレ門に向かって右手。
入り江に向かって左手。

お店の前にはアイスクリーム販売のカウンターがあり、お土産やさんもついています。
アイスクリームカウンターの脇、またはテラス席側のあいたところ、どちらからでも入店できます。

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