ドゥブロヴニクの治安、安全に関する情報

ドゥブロヴニクの治安、安全に関する情報

日本では、ドゥブロヴニク、クロアチアをはじめとするバルカン半島は、1990 年代の戦乱、および近年の移民問題の影響で治安が悪いイメージが強いようです。しかし、現在のドゥブロヴニクはというと、実は非常に治安がよいことで知られています。

最低限の注意さえしっかりしておけば、シリアスな問題に巻き込まれることはまずありません。個人的な印象、そして女性一人で出歩く視点では、東京よりずっと安全なように感じます。今回はそのあたりをレポートします。


iStock. by Getty Images ポートフォリオ:Mari_mjx
Instagram Profile:@marimjx


注意するべきこと

ハイシーズン中のスリ

ハイシーズン、特にドゥブロヴニク港に複数のクルーズ船が停泊している際は、ドゥブロヴニク旧市街は身動きが取れないほどの混雑になることがあります。そのため、この時期はスリの被害が発生することあり。

件数はさほど多くないので過度の警戒は必要ありませんが、ファスナーなどでしっかり閉まるバッグを選ぶとより安心。斜めがけバッグを選ぶ必要はありませんが、ショルダーバッグはできる限り体の前に来るようにしておくとなおよいです。

また、団体旅行だとつい安心して隙ができてしまうため、個人旅行者よりも団体のほうが狙われやすいと言われています。グループでも、一人でも、自分の安全は自分で守る気持ちを持ちましょう。

なお、オフシーズンのドゥブロヴニクは人が少ないですし、出稼ぎの働き手もいなくなるので、観光客以外は顔見知りの地元の人ばっかりという状態になります。そのため、密着してくる人や怪しい動きをしている見慣れない人がいたらすぐわかるのであまりスリの話は聞きません。


夏場の熱中症

ドゥブロヴニクの夏の最高気温は 30 度前後、湿気もさほどないため過ごしやすいです。

しかし、城壁やストラドゥン(プラツァ通り)などが混雑している場合、長時間直射日光にさらされて身動きとれなくなったりもするので、熱中症対策は必須。水分補給をこまめに行いましょう。

日陰がないので、暑い時期は年配の観光客の方が熱でぐったりした様子でケアされているのをけっこう見かけます。

水道水も噴水の水(※水飲み場という位置づけなので水道水が出ています)も基本的には飲める(※雨の後は飲めなくなることがあります)ので、ウォーターボトルやペットボトルをキープして、飲み終わったらそのあたりで水をくむようにしておくと便利です。


水泳&ビーチ遊び&マリンアクティビティ中の事故

ドゥブロヴニク周辺の海岸線は、入り組んだ岩場の連続。急激に深くなりますし、水上からは見えない岩礁があちこちにあることに注意しましょう。

ドゥブロヴニクの城壁の外側など、何箇所か、クリフジャンピング(崖からの飛び込み)ができる場所があります。飛び込んでいる人は多数いますが、飛び込む前に必ず地元の人に安全な場所を確認しましょう。毎年のように大怪我をする観光客の方がいて、そのまま帰らぬ人となるケースも、稀ですが存在します。

そして、ビーチのほとんどが岩場、または小石。裸足だと痛いので、マリンシューズやサンダルを持参しましょう。地元の人はビーチでの履物はありえない&かっこ悪いと思うようですが、そんなことかまってられない。ビーチ全体が超強力な足つぼマッサージのようです。

また、ドゥブロヴニク周辺の海の岩場にはウニがものすごくたくさんいます。当たり前ですが刺さると痛いので、このためにも履物推奨。

シーカヤック、シュノーケリングなどの海のアクティビティに参加する場合は、ガイドやライフセーバーのいうことをよく聞きましょう。

アドリア海は、一見穏やかに見えても、突然波が高くなったり、天候が崩れたりすることがあります。陸がすぐ見える場所であっても、遠浅で穏やかな日本の海水浴場とは違い、ヨットやクルーザーが航行する本物の海なので、沖に出る時は地元のエキスパートの助言は必須と心得ましょう。


雨の日の石畳、特に階段

交通量が特に多い箇所の石畳は磨耗してツルツルになっています。雨の日は恐ろしいくらい滑るので、足元には十分注意しましょう。

特にストラドゥン(プラツァ通り)からプリェコ通り、そしてブジャ門に抜ける階段は交通量が多いため本当によく滑ります。

城壁ウォークをする際、および雨の日は、運動靴、またはゴム底でグリップのきく滑りにくい靴推奨。ほんとに危ないです。


ATM のスキミング

レアですが、稀に聞く話なので一応書いておきます。

ドゥブロヴニク、クロアチアに限らず、日本を含めどこでもある話だと思いますが、ATM に不正なデータ読み取り装置が取り付けてあり、カード情報を盗まれてしまうことがあります。

ATM を利用する場合は、カード挿入口を確認して、なにかおかしいと思うことがあったら利用を避けましょう。

ATM はドゥブロヴニク市内にたくさんあるので、銀行内にあるものや、人通りや人目が多く、犯罪に巻き込まれにくい場所にある ATM を選んで利用するとよいです。ちなみに、銀行(banka)にある ATM と、一般店舗にある ATM で手数料が違うことがあり、一般店舗のほうが手数料が余計にかかることがあるので、銀行 ATM がおすすめ。

ちなみに、時々、作業が全部終わって、カードは普通に返ってくるのに、お金もレシートも出てこないことがあります。こういう場合は、単純にお札が足りなくてお金おろせません、ということらしい。

初めてこれに遭遇したときはとても焦りましたが、実害はありませんでした…。周りにいた地元の友人に「お金入ってないからじゃない」と当たり前のように言われて「え」ってなっただけで。

何か「お金ないから無理!」とかそういうエラーメッセージ出してほしいです。焦るから…。


ハイキングの装備

コナヴレの山地を始め、ドゥブロヴニク周辺には見晴らしもよく、豊かな自然を堪能できるハイキングコース、トレッキングコースがたくさんあります。コースはある程度きちんと整備されており、基本的には危険なく楽しめますが、いくつか注意点があります。

まず、本格的なトレッキングシューズまではいかなくても、しっかりした運動用の靴をえらびましょう。足元が悪かったり、傾斜がきつかったりするところもあります。

距離の長いトレッキングコースでも、基本的に途中で水の補給をするポイントはないことがほとんど。水はしっかり用意していきましょう。

コナヴレの山の中など、周りに人家が非常に少ないトレッキングコースにチャレンジする場合は、暗くなる前に人通りの多い道に戻れるよう、計画的にお出かけしましょう。日が暮れると危険です。人間による犯罪はほとんどありませんが、自然の脅威の方はリアルです。

郊外で動物が出てきたら、落ち着いて距離をとりましょう。

人がよく行く場所には基本的にそんなに出てきませんが、危ない動物としてはイノシシ、シカ、ムフロン、オオカミ、ジャッカル、毒ヘビなどがいます(horned viper という、鼻がツノっぽく尖ったヘビは猛毒なので要注意)。

たぶんいちばん危ないのは子連れのイノシシ。オオカミはいますが、人が襲われたという記録は数百年遡っても全くないそうです。でも、子羊などがさらわれることは今でもありますね…。

また、ドゥブロヴニクからはそこそこ遠いですが、ボスニア・ヘルツェゴビナとの国境あたりまで行くと、まだ地雷が残っているところがあります。観光で行くことはまずないはずですが、もしそういうところへ出かける可能性がある場合は、地雷があるところにはきちんと警告サインが出ています。絶対に近づかないでください。

ボスニアでは、Pokémon Go に夢中になって地雷原に入った人がいたとかでニュースになっていました…。死者、けが人は幸い出ていないようですが、十分気をつけましょう。


安全に関するよくある質問

夜の外出は可能ですか?危険ではありませんか?

市内、街中は夜出歩いても特に危険はありません。女性一人で食事に行っても大丈夫です。郊外だと、地元の人も鍵をかけずに寝たりしているレベル。

ただし、もちろん、知らない人についていったり、酔っ払っている人たちに近づいたりするなど、自ら危険な状況に飛び込むようなことはしないようにしましょう。

バケーション満喫中の観光客、特に若者は羽目をはずしすぎていることがあるので、できるだけ近づかないようにしたほうが安全。一緒に騒ぎたければ騒いでもいいですが、自己責任で。

また、市外、特に山中にいるとき日が暮れると、人ではなく自然の方が危険です。道に迷ったり、崖から落ちたり、あまり出会いたくないタイプの動物と遭遇したりする危険性があるので、明るいうちに街に帰りましょう。


話しかけて来る人=危ない?

ドゥブロヴニクあたりはとてつもなくフレンドリーな人が多く、日夜問わず、地元の人が急に話しかけてくることがあります。ベンチでぼーっとしていたり、同じ場所を何度も通ったり、行ったりしていると、けっこうな率で話しかけられると思っていいくらいです。

そういう場合、普通に会話してもなんら問題ありません。他意はなく、そういう文化なだけです。

地元の人との交流は旅行の楽しみの一つなので、楽しく会話して、最後はドゥブロヴニクらしく、「アディオ(Adio)!」「チャオ(Čao)!」などと別れの挨拶をして立ち去りましょう。お行儀のよいい別れの挨拶をするなら、きちんとしたクロアチア語の「さようなら=ドヴィヂェニャ(Doviđenja)」、もちろんこれでも OK です。

もし相手にしつこくされて不快に思うような事があれば、「Ok, I have to go now. Thank you.(では、もう行かないとならないので。失礼)」とでも、丁寧かつきっぱりと、相手の目を見て真顔で言ってみてください。それ以上しつこくする人は通常はいないと思います。


ぼったくりはありますか?

全くないわけではないですが、そもそも、ドゥブロヴニクは物価がクロアチアで最も高いと言われており、ぼったくりというより単に高いだけのところも多い。悪質なところは少ないです。お釣りをごまかすなどもレアですが、残念ながらゼロではないようです。特に高額紙幣を使ったときなどは、お釣りはきちんと確認しましょう。

Covert(お通しのようなチャージ。パンや塩コショウ、オリーブオイル、テーブルクロス使用料にあたる)がとても高いレストランは、旅行サイトなどのレビューを見ると明らかに評価が低いのでわかりやすいです。事前にレビューを見て、突出して評価が低いところは避けた方が無難。

ちなみに特に悪名高いのが、いつもストラドゥン(プラツァ通り)の真ん中辺りで客引きをしているレストラン。カバーチャージの名の下、びっくりするような金額にしてくることがあるので全力で避けましょう。客引きの方々は人当たりがいいですが、信用してはいけません。

なお、これはぼったくりではありませんが、お魚を頼むときなど、料理法によっては、1 kg 単位の値段がメニューに記載されていて、お魚は 1 匹丸ごと提供される(大きければ値段が高くなる)場合があります。気がつかずに注文して後で揉めるケースがあるようなのでお気をつけて。メニューにきちんと kg 単位であることは明記されています。

なお、タクシーの過剰請求などもレアですが、メーターをつけてもらうなどの自衛策はしたほうがよいです。なお、ドゥブロヴニク空港から旧市街ピレ門までのタクシー代は 2016 年現在約 250 Kn。乗る前に交渉して、定額で行ってもらうのもあり。ついてから 10 Kuna くらいチップをあげると喜ばれます。


人種差別されることはありますか?

人種差別は個人の問題なので、地球上どこでもゼロになることはないと思います。が、一般的に言って、ドゥブロヴニクでは「日本人だから」という理由だけで人種差別の対象になる心配はほぼありません。

このあたりの人は観光客慣れしている上、自分たちの主要産業が観光業であることを熟知しているので、何が来てもあまり気にしないか、または内心どう思っていても表面上はニュートラルな態度を保つ人が多いです。

ただ、アジア人は圧倒的に団体客が多く、個人的に関わる機会が発生することが少なく、メディアなどもおかしなものを取り上げがちなので、未知の分当然偏見はあります(犬や猫を食べるのではないか、とか、イカや魚の踊り食いが日常的な食事なのではないか、とか)が、無知ゆえの偏見はお互い様。話して説明すればきちんと理解し合えます。

個人的な印象としては、クロアチアの皆さんは、リスペクトを持って接すれば、同様のリスペクトを持って対応してくれる人が非常に多いと感じています。変な人もいますが、少数派。

ただ、笑いのセンス的に、バルカン地方の冗談はけっこう身も蓋もない直球が多くて、「それはアウトだろ〜」と思うような内容がネタになることは多い。そういうものに直面した場合、ひどい!と素直に憤慨するのではなく、皮肉を利かせたユーモアでやり返したほうがよろしいです。まあ、「一本取られた!」と思わせたら、こっちのもんですね。

これはクロアチアに限らず、ヨーロッパだとけっこうこういうコミュニケーションは多いかもしれません。

なお、人種差別については、「差別される側になるのでは」というこちらの思いとはむしろ逆に、日本人は普通に話しかけてもガン無視したり逃げたりして感じが悪いという意見をよく聞きます。

英語ができないなら日本語ででも、会話を普通に受け止める方が印象はいいと思う(少なくとも人間同士のコミュニケーションになる)ので、何か言われたら顔を見て「ごめん、英語わかりませんわ!」とでも返事してあげましょう。

わからないから逃げる、では、日本人の印象は世界でどんどん悪くなるばかりです。「お高く止まっていて地元民には話しかけもしない人々」よりは、「話はほとんど通じないけど感じの良い人々」と思われる方がいいのでは、と思うのは筆者だけでしょうか?


ドラッグの問題はありますか?

ドゥブロヴニクにかぎらず、世界共通で、海岸沿いの地域は麻薬の輸入ポイントになることが多いです。ここも例外ではなく、麻薬の売買はゼロではありません。特に、観光客の多い時期は色々なところから色々な人が来るので、そういったニーズを持つ人、そしてそのニーズを目当てに寄ってくる人もいるでしょう。

ついでに、イタリアという大きな市場が海の向こうにあるので、海上でやり取りされたけしからん小包が毎年のようにドゥブロヴニクに流れ着いてニュースになっています。天気が悪いと海上警察などに見つかりにくいので、荒波の中いけないお荷物のやりとりが行われるらしく…、しかしながら揺れが激しいので、いくつか落っことしてしまうんだそうです。いろいろゆるい 笑。

とはいっても、麻薬がらみの犯罪はさほど多くはなく、警察のレポートを見ても、記録はそんなにありません。

また、最近世界的に合法化が進みつつある大麻については、売買はダメなんですが、自分が吸うために所持している分には、まあそこまでお咎めはないです(売買しないでどうやって手に入れるんだ。。という世界共通の謎がここでも)。そのため、割とお気軽にそのへんで楽しんでいる方はけっこういるかと。

しかし完全に合法でもないですので、旅行者としては、手は出さないのが一番。タバコ以上に臭いですし…。

もしお咎めを受けて、訴追されたりすると、収監や高額の罰金刑を課されたり、矯正退去させられ、その後一生 EU やアメリカ等に立ち入れなくなるなど、シリアスな影響がありえます。

これもドゥブロヴニクにかぎらず、世界どこででもそうですが、学生時代の小さな好奇心が発端で、こういった記録が EU、アメリカなどで残り、社会人になってから海外出張で入国拒否されたり、ビザがとれなかったりして会社にこういった過去がばれてしまう、海外で働く可能性がゼロになる、旅行に大幅な制限ができてしまう、さらには日本の職まで失ってしまう…などといった例、筆者も実際見たことがあります。

出来心の代償としては、これはあまりに大きい。高すぎる代償のことを考えて、好奇心を退けましょう。


緊急連絡先一覧

緊急事態発生時 112
警察 192
消防 193
救急 194
海難事故 195
道路での事故 1987

基本情報カテゴリの最新記事

Copyrighted Image