ゴルニ・ウガオ・タワー: Gornji Ugao Tower

ゴルニ・ウガオ・タワーはドゥブロヴニクの城壁に組み込まれた遺跡のうちの一つ。

タワーとは言っても、目で見てはっきりわかる塔というよりは、城壁が小高くなったような雰囲気で、ミンチェタ・タワーのすぐ下にあります。

城壁の上、ミンチェタ・タワーあたりから下を見下ろすと、城壁にくっついて空中バスケットボールコートがあるのが見えるはず。ゴルニ・ウガオ・タワーはちょうどこの部分の城壁およびコート下にあり、内部は、この場所からの出土品が展示される博物館になっています。


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発掘調査と博物館のオープン

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城壁外から見たゴルニ・ウガオ・タワー

 

ゴルニ・ウガオ・タワーの発掘調査が行われたのはごく最近(2005 〜 2008)。発掘調査後に作られた博物館も新しく、展示や内容の説明なども近代的でわかりやすいです。

規模が小さく、存在すらほとんど知られていませんが、ドゥブロヴニクの博物館の中では、博物館としての品質はトップクラスなのではないでしょうか。

 



展示内容

ゴルニ・ウガオ・タワーは、1667 年の大地震によって激しい損傷を受けるまで、ドゥブロヴニク市内の鋳造所として利用されていました。主な製造物は釘、砲弾、教会の鐘などの実用品だそうです。地震で損傷した後は、地震で崩落した土砂などで埋め立てられた状態になっていたのだとか。

もともと鉱物資源の乏しい土地にあるドゥブロヴニク、自給可能なのは周囲にふんだんにある石灰石のみ(日本と同じですね)。そのため、鉄鋼や青銅の生産を行うためには、鉱石を始め各種の資源のほとんどを輸入に頼らざるを得ません。

輸入に頼るということは、当然、資源の生産地との関係の悪化や、輸送ルートで何らかの事故や戦乱が発生すれば、即座に生産が停止する危険を常にはらむということを意味します。

つまり、「いかに効率よく資源を再利用するか」は中世のドゥブロヴニクにとって最大級の課題の一つ。この克服のため考え出された様々な工夫が、知恵で激動中世を生き延びたと言われるドゥブロヴニクの真骨頂。

こちらのゴルニ・ウガオ・タワーの鋳造所でも、鉱石のみならず水や砂に至るまで、驚くほど緻密に考えられた資源リサイクルが実現されており、こちらではその仕組みを実際に目にすることができます。
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アクセス

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ゴルニ・ウガオ・タワーは入り口がわかりづらいです。まず、旧市街の内側からミンチェタ・タワーのふもとまで、ピレ門側の城壁に沿って階段をどんどん登っていきます。そうすると、ミンチェタ・タワーの根本、タワーに向かって左側に、上述のバスケットボールコートへの入り口があります。博物館に行くには、このバスケットボールコートに一度入りこみ、横切って反対側に行く必要があります。

バスケをしている地元の人がいるとかなり入りづらいと思いますが、遠慮せず入って構わないので、どんどん行きましょう。コートの反対側についたら、そのまま城壁に沿って、今度はピレ門側に下がっていく方向に進みます。そうすると、コートの端にある小さなドアにたどり着きます。こちらが博物館の入り口です。

なお、2017 年 8 月(予定)より、アクセス方法がずっとわかりやすくなる予定。現在工事中になっているミンチェタ・タワーの足元から、城壁の中を通り、博物館に直結する通路ができるんだそうです。できたらぜひ通ってみたい!

博物館に入ったら、受付は地下(城壁内なので本当は空中ですが)にありますので、階段を下りていきましょう。ガラスの大きな受付ブースがあり、こちらでチケットを購入することができます。チケットの代金は 30 Kn、展示の品質を考えると破格のお値段です。
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館員さん

ここの博物館の館員さんは Divo(ディヴォ)さんという方。歴史の研究をしている専門家で、海洋博物館や現代美術館など、共通チケットで回れる美術館・博物館群を管理している Dubrovački Muzeji(ドゥブロヴァチュキ・ムゼイ、ドゥブロヴニク美術館)の職員さんです。熱心な方で、「ここに来る方全員に少しでもこの展示と街の歴史を理解してもらい、楽しんで帰ってもらいたい」とおっしゃっていました。

今はまだ、博物館の知名度が低く訪問客も少ないため、他にお客さんがいないときは、Divo さんはガイドツアーなみに展示物の説明をしっかりしてくださいます。そのため、TripAdvisor のレビュー(※TripAdvisor (トリップアドバイザー)のページが開きます)では「ガイド」として紹介されていることが多いですが、案内はあくまでも厚意でしてくださっているようで、ガイドさんではないです。ですので、運良く案内をしてもらった時は、しっかりお礼を言って、ご家族、ご友人がドゥブロヴニクにいらっしゃる時にはこちらの博物館をおすすめしてあげてください。

なお、Divo さんは、博物館の入り口がわかりづらいのを誰よりも熟知しています。そのため、お客さんがいないときは、ここを探している人を案内できるよう、バスケットボールコートの入り口付近まで出てきて待機していることも多いそうです。TripAdvisor レビューに訪問した人が載せた Divo さんの写真があるので、興味のある方はページを確認して、顔を覚えておくことをおすすめします。外にいたら声をかけてみてください。
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