ドゥブロヴニク旧市街の観光スポット: ドゥブロヴニク・アート・ギャラリー(ドゥブロヴニク現代美術館)

クロアチアを代表する観光地、ドゥブロヴニクには、絵画や彫刻、音楽や演劇などのアートを愛する伝統があり、中世には、アドリア海東岸のルネサンスの牽引役となった歴史を持っています。

今回は、そんなドゥブロヴニク旧市街が誇るアートギャラリーをご紹介します。


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アートギャラリーの展示

プロチェ門からドゥブロヴニク旧市街を出て、バニェビーチを右手に上り坂を少し登っていくと、左手に美しい邸宅があります。
これがドゥブロヴニク・アート・ギャラリー、またの名をドゥブロヴニク現代美術館です。

こちらの建物、もともとは海運で財をなしたボジョ・ボナツ氏がクロアチアの著名な建築家に作らせた個人宅。
今はドゥブロヴニク市により美術館として使用されていますが、収蔵品だけでなく建築の美しさも見どころの一つです。

展示物はクロアチア、特に地元ダルマチア地方を代表する芸術家の絵画が中心。
個人宅だった時の当時の部屋もそのまま保管されていて、家具などが展示されているスペースもあります。
外のテラスには彫刻も展示されています。

注目の作品 1: ヴラホ・ブコヴァッツの絵画

小規模な美術館ですが、ツァヴタット出身のヴラホ・ブコヴァッツのコレクションは一見の価値あり。

ブコヴァッツは写実的な人物画を中心とする作品を多く残しています。
日本では(というかクロアチア以外では)あまり知られていない画家かもしれませんが、鋭い観察眼と豊かな表現力を持ち、素晴らしい作品を多く残した、クロアチアの誇る巨匠です。

ツァヴタットに彼の住んでいた家が残っており、こちらも美術館になっています。

余談ですが、ブコヴァッツの絵にも登場するブコヴァッツのお嬢さん、のちに画家になられたそう。
このお嬢さんの作品も、このアートギャラリーに展示されています。

ちなみに、生粋の地元っ子だという係員さんによると、「別に悪くはないけど、お父さんはやっぱり別格」とのことでした😁
作風が全く違うので、評価は好みによって分かれますよね。

ただ、国を代表する画家の絵画の中に描かれている女の子が、大きくなって作った作品が同じスペースの中に存在するって、なんだか不思議な気持ちがしませんか?

ブコヴァッツの描く、暖かい光に包まれた柔らかく優しい家族の絵画は、まるで遠い世界の美しいおとぎ話のよう。
私達よりもずっと後の世代まで、大事に引き継がれて、守られていく絵画のフレームの中にいるこの女の子が現実に存在すること自体が、まるで魔法のように素敵なことに感じられます。

注目の作品 2: イヴァン・メシュトロヴィッチの彫刻作品

イヴァン・メシュトロヴィッチは、20 世紀のクロアチアで最も偉大な彫刻家と言われる、国を代表する芸術家です。

貧しい小作農の家に生まれたメシュトロヴィッチですが、その才能に目を留めた富豪のサポートでウィーンに留学してメキメキと頭角を現し、若くして、国際的に影響力のある突出した芸術家となっていきました。

しかし、ウィーンからパリへ、そしてその後クロアチアへと移住しつつ、国際的な活躍を続けていたメシュトロヴィッチに、突然の悲劇が襲います。
当時、クロアチアを統治していたナチスの傀儡政権ウスタシャがメシュトロヴィッチを逮捕し、その後 3 ヶ月半に渡り投獄生活を送ることとなったのです。

最終的に、法王(ピウス12世)の力添えにより解放され、まずイタリア、そしてスイス、最終的にアメリカへと逃れたメシュトロヴィッチ。
アメリカの大学で教鞭を取りながら制作活動を続け、ニューヨークのメトロポリタン美術館に作品が展示された初めてのクロアチア出身の芸術家となりました。

ドゥブロヴニクのアートギャラリーにも、このメシュトロヴィッチの作品が展示されています。
シンプルなラインと優雅な曲線で構成されながら、静かな力強さをたたえる素晴らしい作品です。

その他の見どころ

さて、こちらのアート・ギャラリー、実は知る人ぞ知る絶景スポットでもあります。

2 階にテラスへの出入り口がありますので、そちらからテラスに出てみてください。
出入り口が閉まっている場合は、係員さんにお願いすれば開けてもらえます。
特に 3 階テラスからの眺めは素晴らしく、これだけのために足を運ぶ価値があるくらいです。

テラスからそのまま入り口外の中庭(ここにも彫刻があります)に降りることができますので、お帰りの際はそちらからどうぞ。
荷物を入り口のロッカーに預けた場合は、ここから一度入り直し、荷物を取り出しても大丈夫です。

入場料金

ドゥブロヴニクのアートギャラリーの入場料金は 130 クーナ。

この入場券は、旧市街の他のいくつかの博物館、博物館でも使用することができます。
チケットの裏側に、このチケットが使える施設が記載されているので、チェックしてみてください。

また、ドゥブロヴニク・カードをお持ちの方は、ドゥブロヴニク・カードを入場券として提示し、そのまま入ることができます。