​ 海洋博物館: Maritime Museum in Fort St John

海洋貿易の要所に位置し、中世には、商業や外交で類まれな成功を納めた独立国家として発展してきたドゥブロヴニク。小国ながら、周辺の大国(ヴェネツィア共和国、ハプスブルグ帝国、セルビア王国、オットーマン帝国など)を相手に、数百年の間したたかに生き延びたユニークな歴史をもっています。

そんなドゥブロヴニクの成功を支えたのが潤沢な資金。そして、その資金を生み出す大きな要因の一つが海洋貿易でした。この海洋博物館は、そんな歴史を垣間見ることのできる場所。今回は、この海洋博物館についてご紹介します。


目次】


iStock. by Getty Images ポートフォリオ:Mari_mjx
Instagram Profile:@marimjx




ドゥブロヴニクと海洋貿易

クロアチア随一の観光都市として知られ、クロアチア観光のパンフレットやウェブサイトの顔ともなっているドゥブロヴニク。

そんなドゥブロヴニクですが、実は、クロアチアの一部になったのは、そんなに前のことではありません。

バルカン半島は様々な小国家が乱立しては消えていった複雑な歴史を持つ場所。ドゥブロヴニクも、19 世紀まで、そのような小国の一つとして、独自の文化と歴史を刻んでいたのでした。

キリスト教圏とイスラム教圏の境目に位置し、天然の良港を要するドゥブロヴニクは類稀な外交技術で知られ、貿易で得た潤沢な資金を元に自治権を勝ち取ることに成功。お金にものを言わせたり、強国同士の争いに便乗したり、表面上従属を約束しながら、いつの間にか事実上の自治を実現したり。

世界中の黄金を積まれても自由を売り渡すことはない」との言葉を掲げ、ヴェネツィア共和国、ハプスブルク帝国、オットーマン帝国といった歴史に名だたる列強が周辺すべてを領土化する中、数百年に渡って自治を守る小国というのは、驚異的としか言いようがありません。

さて、ドゥブロヴニクのこのような成功を支えた一つの要因は、間違いなくこの海洋貿易にあります。

時はちょうど大航海時代に突入し、海洋貿易はまさに当時の花形産業。ドゥブロヴニクは、天然の良港を有し、戦略上・商業上の要所に位置し、「白い黄金」と呼ばれ高値で取引されていた塩を有していた上、各国の間で抜け目なく立ち回って関税回避と通行の自由を確保。更に、市内での異教徒による交易を許可し、世界中から交易品と富が集中する体制を作りあげていったのでした。

ちなみに、今でも、クロアチアの他の地域の人と、ドゥブロヴニクの人は性格や考え方、生き方に大きな違いがあり、「ドゥブロヴニクはクロアチアの中の外国」と言われることもあるほど。

時期もおおむねかぶっていますし、商業で成功し、自治を勝ち取って抜け目なく生き抜くなど、戦国時代 〜 江戸にかけての堺によく似ているなあと思うことがあります…。小さな都市国家ながら、自らを交易のハブと化することで成功を納めたという点では、もしかしたら現在のシンガポールと似た部分もあるかもしれませんね。
目次に戻る


海洋博物館で見られるもの

海洋博物館は、旧港の先端に位置する聖ジョン要塞の、2〜3 階部分のみの比較的小規模な博物館です(ドゥブロヴニクの中では大きいですが)。

中世の海洋貿易で取引された商品の数々、船上で使用された道具類、書類や目録、絵画などを始め、船舶の模型や当時使用された船のパーツなどが展示されていて、大航海時代に憧れを感じる方にはたまらない展示といえます。

ちなみに、1 階部分は水族館になっていまして、こちら入り口は別ですが、同じ入場券で入ることができます。
目次に戻る


海洋博物館へのアクセス

海洋博物館のある聖ジョン要塞は、ドゥブロヴニクの城壁に組み込まれたビルトイン型の要塞。1 階が水族館、2、3 階が博物館です。

城壁の一部なので、城壁をぐるっと歩いて回るついでに、この海洋博物館に立ち寄り、見終わってから城壁ウォークを再開することも可能。

もちろん、旧市街から、この海洋博物館だけを見に来ることもできます。

旧港の端にある、城壁の一部が建物になっている部分が聖ジョン要塞です。

聖ジョン要塞は旧港の先端にあり、屋上は広場のようになっています。城壁をぐるっと歩く場合、広場の脇の階段から下に降り、一瞬旧市街の内側に入って、城壁の壁にぽっかり開いた門から、再度旧港側に抜ける形になります。

海洋博物館があるのは、まさにその門のところ。

旧市街から海洋博物館だけ見に行く時は、ドゥブロヴニク大聖堂を起点にするとわかりやすいです。

ドゥブロヴニク大聖堂の奥あたりで数段の階段を登ると、トンネルのある路地があります。ちなみにこちら、Star Wars エピソード 8 の撮影ロケ地。カジノ惑星、カント・バイトのシーンででてきました。

トンネルを抜けた先の左側に階段があり、ここを登ると、城壁ウォークの途中に合流し、上記の入口に入っていく形で海洋博物館にたどり着くことができます。

トンネルの先は行き止まりになっており、階段に登らなければ、民家の裏庭のようなところで立ち往生することになります。民家の庭にはギロチンの模型がある(数年前何かのイベントのために作られて、記念にとっておかれている)ので、わかりやすいといえばわかりやすいかもしれません。


Index に戻る

観光情報カテゴリの最新記事

Copyrighted Image