【番外編】MW の作る特別なクロアチアワイン、日本で販売開始!

「クロアチア」と聞いて、ワインを思い浮かべる方、日本ではまだまだ少数派。思いついた方、かなりの通です!

実はクロアチア、古代ギリシャ時代から、数千年に渡ってワイン造りが続けられている歴史あるワイン産地。古くはローマ帝国や、後世にはオーストリア・ハンガリー帝国の宮廷にも上納されていたといい、今も権威ある賞を受賞するワインを数多く産出しているのです。

…ただし、ほとんど、クロアチア国内で消費されてしまいます。お酒好きすぎ!

さて、そんな知られざるワイン産地クロアチア産の、面白いワインの販売が日本で始まりました。今回はこちらをご紹介します!


iStock. by Getty Images ポートフォリオ:Mari_mjx
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クロアチアのワイン


日本ではあまり馴染みのないクロアチアワイン。クロアチア自体、あまり「ワイン産地」というイメージがないのではないでしょうか?

しかし、実はクロアチア、世界有数の歴史をもつワイン産地。美しいアドリア海沿岸に転々と散らばる古代ギリシャ時代の居住地跡からは、ワイン用のカップや、ブドウ、そしてワイン生産の痕跡が出土しています。

海岸沿いのダルマチア地方で始まったワイン造りは内陸にも広がり、今ではクロアチア国内各地で、それぞれの土地の特色を活かしたワイン造りが行われています。

語りだすと掘っても掘っても彫り尽くせない奥深さがあるので、ここではあまり掘り下げず…、旅行前の一夜漬け的に覚えるなら、これ!

  • クロアチアの大陸側のワインはオーストリアやドイツなどのワインと共通点が多い
    • 大陸側のおすすめは、グラシェヴィナ(Graševina)、トラミナッツ(Traminac)、シュクルレット(Škrlet)などの白ワイン。
  • クロアチアのアドリア海沿いは、北のイストリア、南のダルマチアに別れ、それぞれ特徴が違う
    • イストリアのおすすめは白ワインのマルヴァジヤ・イスタルスカ(Malvazija Istarska)と赤ワインのテラン(Teran)。
    • ダルマチアのおすすめは、赤ワインならプラヴァッツ・マリ(Plavac Mali)、特にディンガチ産、ポストゥプ産がベスト。白ワインはポシップ(Pošip)。

うーん、もっと知りたい。…という方、こちらのページにまとめておきました。合わせてどうぞ。


日本で販売が始まった、特別なクロアチアワインとは…?

  • 今回日本での販売が始まった特別なワインとは、イギリス出身で、クロアチア最古のワイン産地の一つ、フヴァル島に移住してワイン造りを手がけているマスター・オブ・ワイン(MW)、ジョー・アハーン(Jo Ahearne)女史が作った新しいワイン。

「マスター・オブ・ワイン」とは、世界最難関のワイン資格で、2019 年 3 月現在、世界にたった 384 人しかいない、まさにワイン道を極めた方だけに許される至高の称号。これだけワイン好きの多い日本にすらまだお一人しかいらっしゃらないというくらいですから、クロアチアには当然、ジョーさんしかいません(クロアチア人ではなく、イギリスの方ですが…)。

世界中のワインを知り尽くし、世界を飛び回って八面六臂の活躍を続けてこられたジョーさん、いつか自分のワイナリーを持って、自分の好きなワインを極めたいという夢を持っていたそうです。そんな彼女がついに「ここ」と決めたのが、クロアチアのフヴァル島。

ワイン生産の歴史、この島にしかない固有種の持つ可能性、そしてユニークな土壌や天候といった、いかにもワイン方向の魅力に加え、島の例えようもない美しさ、地元の人の気質、旅行者や移住者が多く暮らしやすいところなども、フヴァル島に居を構えるきっかけになったのだそうです。

ワイン学の権威らしい科学的アプローチと、国際的なワインマーケットで磨かれたセンスと、ここにしかないユニークなブドウの持つポテンシャルと、そして「こういうワインを作りたい」という明確なビジョンを持って作り出されるワイン、一般的なクロアチアワインともまたちょっと違う、非常に面白い作品。

これが日本で買えるとは…。業者さん(Vins d’olive さん)どうもありがとう。


Ahearne Vino のワインの特徴

フヴァル島にあるジョーさんのワイナリー、Ahearne Vino(アハーン・ヴィノ)のワインのうち、現在日本で購入できるのは次の 3 種。

  • Plavac Mali South Side(プラヴァッツ・マリ サウスサイド): 赤ワイン
  • Wild Skins(ワイルド・スキンズ): 白ワイン(ただしいわゆるオレンジワイン、マセレーションワイン)
  • Rosina(ロスィーナ): ロゼワイン

すべて、先程出てきた Vins d’olive さんの Web サイトで購入可能です。Amazon にも出店されているようですが、こちらのワインは出てないかもですね…。

筆者は、Vins d’olive さんの Facebook ページから在庫についてお問い合わせして、大変丁寧にご対応頂いた結果、上記の Web サイトから注文をしました。気軽に質問できる場所を用意しておいていただけるのは助かりますね。


各ワインの特徴


Plavac Mali South Side(プラヴァッツ・マリ サウスサイド)

プラヴァッツ・マリはダルマチア地方を代表する赤ワインブドウ、クロアチア固有種です。

アメリカで人気のジンファンデルがお好きな方、イタリアのプリミティーヴォがお好きな方は、プラヴァッツ・マリのワインにもお気に入りが見つかるのではないでしょうか。

それもそのはず、ジンファンデル、プリミティーヴォは DNA 的に見ると同一品種。そして、その原産地がクロアチアなのです。ちなみに、原産地クロアチアでの呼称は「ツルリェナク・カシュテランスキ」といい、こちらと、別のクロアチア固有ブドウ(ドブリチッチ、Dobričić)の交配種がプラヴァッツ・マリ。

道理で、よく似た特徴を持つはず…。お試しいただくと、納得の味が感じられることでしょう。地理的に近いせいか、プリミティーヴォのほうがより近い感じで、骨太でドライ、ベリーの濃厚な香りにピリッとスパイシーさがあり、野趣にあふれるワインも多く見られます。

アハーン・ヴィノのプラヴァッツ・マリは、骨太な方向に行きがちなプラヴァッツ・マリに隠された、ソフトでフェミニンな面をうまく引き出した面白いワイン。

プラヴァッツ・マリはブラックベリーなど、濃厚な黒系フルーツの香りでよく知られているのですが、こちらのプラヴァッツ・マリはベリーより先に、強く花の香りが来ます。これは面白い!こういう方向性のプラヴァッツ・マリというのは、クロアチアではまずお目にかかったことがありません。

ジョーさんが「暑い夏のアドリア海では、あまりに骨太すぎる赤はちょっときつく感じる。なので、夏でもグイグイ行ける、ピノ・ノワール風のプラヴァッツ・マリを目指している」とおっしゃっていましたが、本当にそんな感じで、アドリア海の海辺がぴったりきそう。新しい…!


Wild Skins(ワイルド・スキンズ)

ワイルド・スキンズは、今世界中で熱い注目を集める、いわゆる「オレンジワイン」の仲間。

オレンジワインは、一応白ワインの仲間なのですが、果実から皮を取らず、すべて一緒に漬け込んで発酵させるマセレーション(マセラシオン)という手法で醸造されるため、皮の色と、皮に含まれる香り、味を取りこみ、独特の色、香り、味が生まれます。皮を漬け込む期間や手法の違いによって、はっきりしたオレンジ色から、色の濃い白ワイン位のものまで、様々なカラーが生まれます。

ワイルド・スキンズに使われるブドウは、フヴァル島固有種のボグダヌシャ(Bogdanuša)、ダルマチア北部固有種のクチュ(Kuč)、そしてコルチュラ島固有種のポシップ(Pošip)。

ボグダヌシャは、フヴァル島で古くから、教会での行事などで振る舞われる特別なワインを作るのに用いられてきた品種。「神様からのギフト(Bogom dana)」が語源となっているそうです。こちらと、香りの良さで知られるクチュ、ダルマチアを代表する高級白ワイン、ポシップとのミックス、フヴァル島だからこそ実現するかけ合わせ。

爽やかなフルーティな香りにオレンジピールやトーストが加わり、味わいも奥深い。また、ジョーさんも工夫して調整したとおっしゃっていた通り、程よい粘度が生み出すシルキーな舌触りも魅力です。

ちなみに、ワイルド・スキンズの 2016 年ヴィンテージは、クロアチア国内のワインランキング、白ワインカテゴリで Top 10 に選ばれています。


Rosina(ロシーナ)

ジョーさん、クロアチアにはまだあまりない、それ一本で楽しめる味わいと深み、複雑さを持ち、エイジングにも耐えるような、本格的で本気なロゼを作りたいのだとか。その言葉どおり、こちらのロシーナ、素晴らしい出来です。

ロシーナに使われるブドウは、こちらもフヴァル島固有種のダルネクーシャ(Darnekuša)。上述のボグダヌシャとプラヴァッツ・マリの交雑種で、これまではあまり注目されていなかった品種なので、作付面積も、フヴァル島内でたったの 1.5 ヘクタール。フヴァルの固有種ですから、つまり、これは世界で 1.5 ヘクタールしか作られていないということ。要するに、絶滅寸前の品種なのです。

ダルネクーシャは、ボグダヌシャやプラヴァッツ・マリと比べると糖度が控えめな(つまり醸造後のアルコール度数も高くない)ため、高アルコール度数ウェルカムなクロアチアでは今ひとつ人気が出にくいらしい。ジョーさんは、海抜の高い場所の果実を選ぶことで、味に奥行き与え、キリッと引き締める酸味を確保しているそうです。

ロゼワインは割と甘いイチゴ系が多いと思うんですが、ロシーナはラズベリーやレッドカラント、ルバーブなどの香り。味わいはできの良いオレンジワイン、白ワインよりです。大人のロゼですね…。

ちなみに「ロシーナ」は、ジョーさんの御母堂にインスパイアされたワインで、お名前も御母堂のお名前を取り入れていいるのだそうです。見た目はエレガントで美しいのに、中身は驚くほど芯が強いところがよく似ているとのこと。それを知っていただくと、より美味しく、ありがたくいただくことができますね。


取扱業者さん: ヴァンドリーヴさん

ヴァンドリーヴ( Vins d’olive)さん、「東地中海」を軸に、面白いワインや食品を販売されています。今回、Ahearne Vino のワインの日本販売が始まるのをきっかけに知った業者さんですが、他にも飲んでみたいワインをいっぱい出店されていますね。これは時々見に行ってしまう予感…。

自分が連絡、購入に使用したサイト等をこちらに載せておきます。ご興味ある方はぜひご連絡なさってみてくださいね。

ヴァンドリーヴさん連絡先:

また、Ahearne Vino のワインお試しになられた方は、当サイトの姉妹 Facebook ページ、東京クロアチア倶楽部 あたりでぜひ感想を教えてください。美味しいですよねーって語り合いましょう。

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