ドゥブロヴニク旧市街:世界的アーティストのアトリエ 2 選

中世には独立した都市国家だったドゥブロヴニク。小国ながら、地の利を活かした陸上・海上の貿易で莫大な富を得、文化面でも、中世にはバルカン半島のルネサンスの牽引役となったユニークな歴史を持っています。

そんな歴史のせいか、ドゥブロヴニクは今でもアート愛にあふれる街。ここへ来たら、日本だとなにかと敷居が高くなりがちな「芸術」を身近に、気軽に楽しみましょう。今回は、旧市街にある、地元出身の画家さん達のアトリエをご紹介します!


キャプテン・スティェプコ・マミッチのアトリエ(Art by Stjepko: Atelier)

キャプテン・スティェプコ・マミッチは、クロアチアの現代絵画を牽引する画家。

クロアチア国内より、むしろ国外でよく知られていて、フランスやイタリアなどの権威ある芸術アカデミー等の会員としても広くご活躍されています。
デジタル化された作品が、ブラジルワールドカップのエキシビジョンでのプロジェクトマッピングにも採用されていました!
受賞歴も華々しくて、アトリエにお邪魔するとメダルや盾などもいくつか飾られています。

しかも、そんなすごい芸術家なキャプテン・スティェプコ、たいへんハンサムでダンディなおじさまです😍

見た目だけでなく経歴もかっこよくて、若かりし頃は船長として世界の海をまたにかけて活躍していたのです。
そのため、今でも敬称が「キャプテン(船長)」なんですね。
かっこいい。

さて、そんなかっこいいづくしのキャプテン・スティェプコさんの絵は、パレットナイフのみを使用し、幾層もの金箔や銀箔をキャンバスに塗り込んで作成されるのが特徴。
キャプテンが航海し、暮らし、泳ぎ、そして今はすぐそばに住んで毎日見ている海がテーマになっているものが多く、角度や距離、照明で色合いや雰囲気がガラッと変わるのが最大の魅力です。

見て、触れて、感じて、自分の中に取り込まれて魂の一部になった海が、キャンバスの上で新たな形を与えられたものなんですね。

キャプテン・スティェプコ・マミッチのホームページでたくさん作品がみられます →  Art by Stjepko


キャプテン・スティェプコのアトリエ

キャプテンのアトリエは、ドゥブロヴニク旧市街にピレ門から入ったすぐのところにあるフランシスコ修道会の前を通りすぎた枝道、要するにストラドゥン(プラツァ通り)の左側の一番最初の路地にあります。
路地の入り口には、ドゥブロヴニクを代表するカフェの一つ、カフェ・フェスティバルがあるので、それも目印になりますね。

また、キャプテンがいる=アトリエがあいている時、そして雨が降っていなければ、路地にイーゼルにかけられた絵が置いてあるので、路地を覗いてみて絵が見えたら一発で場所がわかります。

キャプテンはお家、または旧市街のこの小さなかわいいアトリエで創作をされているようなのですが、嬉しいことに、旧市街のアトリエはフラッと立ち寄っても全く問題なし。
誰でも暖かく気軽に受け入れてくださるので、キャプテンが実はものすごいアーティストであることを知らない観光客の皆さんは、なんだったらキャプテンのことを画廊の店番くらいに思ってるかもしれない…。

当サイト管理人は、いつかキャプテンの絵を一つ壁にかけたいな…というのが夢になっているくらいキャプテンの絵が好きなので、いつもオープンに受け入れてくださるキャプテン、とてもありがたいです。
ゆ~っくり眺めながら、キャプテンといろいろなお話をしたり、時には特定の絵について、「どう見える?何が見える?」などと聞かれてみたり、いつお伺いしても居心地よくアートに浸ることができます。

ちなみに、キャプテンはガチのアーティストであって、商業画家ではないので、「こういう絵を描いてほしい」というリクエストに応えて絵を描くことはないそうです。
たまに「この絵を色を替えて描いてほしい」といったことをお願いされることもあるようなんですが、そしてインテリアとしての購入を考えている方ならそういうリクエストをするのはよくわかるんですが、「そういうことじゃない」っていうことですね。

ちょっと下世話なお話かもしれませんが、芸術家として生きていくのって、なんだかんだ難しいことだと思うんです。
そのあたり考えると、大型船舶の船長さんという、たいへん高収入なお仕事でしっかりとキャリアと財産を築いた後に芸術に目覚めてその道を極めるというのは、非常に純粋に自分の感覚を追求できる、芸術家としてある意味理想的な生き方だなあ、と。

そして、一般社会で、普通に働いて、一般的な生活の経験をたくさん積んできたことも、多分、深みになってキャプテンの作品やお話、お人柄に反映されているんだなあ、とも思います。

そんなこんなで、キャプテンのアトリエは、管理人にとってドゥブロヴニクのたくさんある魅力のうちの大きなポイントにもなっています。
諸々を差し置いても、光の角度で様々に変化するキャプテンの絵は、美しさが増幅されたスキューバダイビングみたいで、ちょっと角度を替えては新しい色を楽しむ、というのを延々やっていられる、とても素敵な経験になりますよ!


キャプテン・スティェプコのアトリエへのアクセス

まず、ピレ門からドゥブロヴニク旧市街に入り、メインストリート、ストラドゥン(プラツァ通り)にでます。オノフリオの噴水を右手、フランシスコ会修道院を左手に見ながらストラドゥンを進み、修道院の前を通り過ぎてすぐ、一番最初の路地に入ります。ストラドゥンと、路地の先にあるプリィェコ通りのちょうど真ん中あたり、右手にアトリエがあります。

アトリエにキャプテンがいらっしゃるときは、アトリエの前になにか絵を飾っていることが多いので、すぐにわかります(本人がおられるときしか開いていないのです)。雨などで絵が出ていなくても、右手を見ながら歩けば、ドアが開いていて、海の深い色の絵画が並んでいるのはここだけなので、ドアが開いていたらぜひ足を踏み入れてみてください。


アートギャラリー ホマ(Art Gallery Homa)

アートギャラリー ホマは、ドゥブロヴニク出身の女流画家、ヤドランカ・ムニティッチ(Jadranka Munitic)さんのギャラリー。
こちらもアトリエとして使うこともあるそうです。
ただ、いつ行ってもご本人がいるわけではなく、普段は娘さん(ものすごく、ものすごくおきれいな方です)が訪問客の対応をされていることが多いです。

ヤドランカ・ムニティッチさんの作品は、油絵の中に様々な異素材をミックスし、奥行きと透明感を表現するスタイル。
ドゥブロヴニク旧市街を題材にした作品、そしてバルカン半島のユダヤ教の結婚式を題材とした作品を多く手がけていて、特に後者はその芸術性で高い評価を受けています。

なお、ヤドランカさんは小さい作品を作るのもお好きで、小さなキャンバス、さらにははがきくらいのサイズのカードボードなどを使った作品も数多く制作されています。
こちらはがんばったお土産くらいの感覚で買うことができるお値段のものもあるので、…自分用に 1 つ買っちゃった😍

うちにあるものは、ドゥブロヴニクの旧港を月が照らしている様子を描いた、大型ポストカードくらいの作品なんですが、角度によって色や輝きが変わって、ある意味、毎日同じなのに違う本当の世界を映し出しているみたいに感じます。
もう 2 年くらい家にあるのに、ふとした瞬間に目が惹きつけられて、美しさでハッとします。
まさしく、大好きな夜のドゥブロヴニクの港で、街の灯りと月、星、それらが波に反射するのに惹き込まれるのと、よく似た感覚なのかもしれません。

なお、ヤドランカさんのご家族は、旧市街内で民泊として泊まれる、ヴィラ・ホマ・ドゥブロヴニク(Villa Homa Dubrovnik)も経営されています。

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こちらのお部屋、ヤドランカさんの絵が室内にいくつも飾られていてすごく素敵です。
ドゥブロヴニク旧市街で、旧市街で生まれ育ったドゥブロヴニクを代表する画家のお家で、その作品に囲まれて眠るって、なんというか、独特な特別感があるんですよね〜😚


ギャラリー・ホマへのアクセス

ピレ門からストラドゥンに入り、旧港に向かってストラドゥンをそのまま直進します。ルジャ広場の時計台がだいぶ近づいてきたら、左手に注目しながらすすみましょう。洋服屋さんと本屋さんの間の路地、ボシュコヴィチェヴァ通り(Boškovićeva Ulica – ケーブルカー乗り場に行く時に使うブジャ門に続く路地)が見つかったら、この路地に入ります。

入ったら割とすぐのところにあるので、路地の右手に注目しながら進んでください。小さめの作品が飾られた棚、その奥に大きなサイズの絵画、そしてその先には建物を突き抜けた向こう側のジュディオスカ通りが見える場所があったら、そこがギャラリー・ホマです。