【実体験レビュー】マルヴァシヤ・ワイン・バー(Malvasija Wine Bar)- ドゥブロヴニク旧市街

ドゥブロヴニクのあるダルマチア地方は、クロアチア有数のワイン産地の一つ。その最大の特徴は、クロアチア固有のブドウで作られた、貴重なワインが多いこと!

小規模生産が主流のダルマチア地方は、クロアチアで初めて EU の原産地名称保護対象となったプレミアムワインを始め、知られざる美味しいワインの宝庫。地元でないとなかなか味わえない固有種ワインなど、旅行の際にはぜひその味わいを堪能したいところ。今回は、そんなワイン愛好家におすすめのワインバー、ドゥブロヴニク旧市街内の「マルヴァシヤ・ワイン・バー」をご紹介します!


目次】


iStock. by Getty Images ポートフォリオ:Mari_mjx
Instagram Profile:@marimjx



ワイナリー直営

マルヴァシヤ・ワイン・バーは、モンテネグロとの国境にほど近い、モルナット(Molunat)という村のワイナリー直営。オーナーは ボジョ・メトコヴィッチ(Božo Metković)さん。クリエイティビティと行動力、探究心にあふれるワインメーカーです。研究に研究を重ねて味を追求する仕事人で、知る人ぞ知るお人。

こちらのワイナリーの一番人気は、後述するドゥブロヴニク固有種を使った白ワイン。ドライで味わいも濃く、好きな人はどっぷりハマる感じです。この他、クロアチアを代表する品種であるポシップとグラシェヴィナ、そして世界的にポピュラーなシャルドネもいい出来です。

赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プラヴァッツ・マリ、ヴラナッツの 4 種のブドウがあります。いずれも、割とマイルドで飲みやすい方向に仕上がっています。白の方がパワフルで、赤は繊細に仕上がるというのも面白い特徴ですね。

…が!ここで最新情報!!2018 年、初のピノ・ノワール結実だそうです。ドゥブロヴニクほど南でピノ・ノワール。おそらく、初の試みなのではないかと思うのですが、さていったいどんなワインができるのでしょうか?

さて、赤、白以外ではロゼとスパークリングもごく少量生産されています。

ロゼは生産量の都合で、今の所 1 日 1 本限定、売り切れ御免だそう。こちらは固有種ではなくメジャーな品種のブレンドらしいですが、ブレンド具合が秀逸。ドゥブロヴァチュカ・マルヴァシヤのインパクトが嘘のようなエレガントで優しいロゼで、完璧なほのかな桜色。なかなか懐深い…。スパークリングはさらに生産量がすくないため、あったらラッキー!というレベル。出会ったらぜひ!
目次に戻る


ドゥブロヴニク固有種ワインが飲める

こちらのワイナリーの主要ワインは、ドゥブロヴァチュカ・マルヴァシヤ(Malvasija Dubrovačka)という、ドゥブロヴニク周辺で栽培されている固有種を使った白ワイン。ダルマチアのワインというと、赤のプラヴァッツ・マリと白のポシップが有名です。でも、正真正銘「ドゥブロヴニクの」ワインというなら、それはドゥブロヴァチュカ・マルヴァシヤ、なのです。

ボジョさんの作るドゥブロヴァチュカ・マルヴァシヤは、非常〜に香り高く、それなのにドライなのが特徴。グラスに顔を寄せると、フルーティーで華やかな甘い香りがブワッと襲いかかってきます。グリーンマンゴーや杏などのフルーツに、お花も加わったような、とてもよい香り。

しかし、口にするとびっくり。甘いのかと思いきや、しっかりしたボディがあってキレよくドライ。程よい酸味が全体を引き締め、タイトにまとまりつつも、残るフィニッシュで後味もよし。色は黄金がかったハニーカラーで、とてもきれいです。

そのまま飲んでもいいし、濃いめの味の魚介類や、鳩やうさぎ、鴨にフルーツ系のソースをあわせた料理なんかにもあいそう。羊のチーズ(パグ島のチーズとか)プロシュートとの相性も抜群です。

なかなか簡単に手に入るワインでもないので、ぜひ、旧市街を訪れたら味わってみてください。なおもちろん、作っているワインはこれだけでなく、赤、白、ロゼもモルナットのワイナリーで作ったもの、そして他のワイナリーからのセレクションもそろっています。
目次に戻る



美しすぎる実力派ソムリエがワイン選びをアシスト

マルヴァシヤ・ワイン・バーのオーナーは、とっても美人なゲルダさん。実は、ボジョさんの娘さんです。

もともとはご家族の別のビジネスを任されていたそうですが、数年前から旧市街のワインバーを切り盛りすることになり、一念発起してソムリエ資格を取得したそうです。今でもコツコツ勉強を続け、より高位のソムリエ資格取得に向け、コツコツ勉強を続けている努力家さん。

そもそもワイン生産者の娘さんで、ソムリエになる前からワインに日常的に親しんできた上に勉強が乗ってくるので、その実力は折り紙つき。旧市街の他のワインバーやレストランなどでも、「彼女はすごい」と評判で、一目置かれる存在なのです。

研究熱心なお父上と同じく、ゲルダさんもとても研究熱心。ワインそのものはもちろん、ペアリングの追求にも余念なし。訪れたお客さんの好みを聞いて「こんなのはどう?」とおすすめを考えてくれる際も、通り一遍ではなく、本当にちゃんと考えてくれます。杯が重なって好みが見えてくると、好みに合いそうなものを新しく勧めてくれたり、しっかり一人ひとりお客さんを見てくれているところも素敵。

地元のワイン農家で育って、ビジネスの感覚もあって、しかも研究熱心な若手実力派ソムリエが直接ワイン選びをアシストしてくれるという場は世界で探してもなかなかないです。名だたるワインを味わい尽くしたワイン通の方でも、ここはあえてソムリエのおすすめに身を委ねて楽しんでみるのも乙なものかと思います。
目次に戻る

Viator


旧市街のど真ん中。石造りの路地の雰囲気がたまらない

マルヴァシヤ・ワイン・バーは、ドゥブロヴニクの目抜き通り、ストラドゥン(プラツァ通り)の脇の路地をちょっと入ったところにあり、まさに旧市街のど真ん中と言っていいくらいの場所に位置しています。

オレンジ色の街灯でほのかに照らされた石畳、石壁の細い路地に並んだテーブルで、心地よい風を感じながらいただくワインは格別。ドゥブロヴニクに来る、ドゥブロヴニクを楽しむって、要するにこういうことなんじゃないかと。…もちろん他にもたっくさん良いところはあるんですが、こういうことを、夜に、過度に治安を気にせずにゆっくり楽しめるって、本当に特別なことだと思うのです。

特に、筆者のように、女性ひとりでいろいろなところに出かける場合、夜心配せずに出歩けるというのは本当に幸せなこと。しかも、ちょっとドレスアップして、リトルブラックドレスなど着て、ハイヒール(石畳、場所によっては歩きにくいですが…)で行って気分良く落ち着いて過ごせるというのは、率直に言って最高です!

お酒がそこそこ強い方であれば、ぜひゆっくり堪能していただきたい。男性も女性も。お酒が強くないのであれば、白ワインの炭酸水割り、ゲミシュト(Gemišt)や赤ワインの水割り、べヴァンダ(Bevanda)にしてもらうという手も。ダルマチアのワインは比較的アルコール度数が高いことが多いのでお気をつけて。

ちなみに、もとのワインの味がしっかりしているからか、ゲミシュトもべヴァンダもそれはそれで美味しいです。
目次に戻る



自家製オリーブオイルは飲めるほどの味わい。もちろんコールドプレス

ダルマチアのレストラン、またはご家庭では、自家製のオリーブオイルが出てくることがけっこうあります。マルヴァシヤ・ワイン・バーのオリーブオイルも、もちろん自家製。伝統的なコールドプレス(低温圧搾)法で作られていて、フレッシュな青い香りと辛味、苦味、旨味のバランスのいい、非常ーーに美味しいオイルです。

こちらも、生産量はさほど多くないため、広く市販されているわけではなく、クロアチア内外のレストランなどから注文を受けて提供する形になっているようです。もちろん、こちらのワイン・バーでは味わうことができ、購入もできます!

ちなみに、オリーブオイルは、パンを頼むと添えて出してくれます。初めて頂いた時、思わず「おいしい!」と言ったら、テイスティング用にグラスに少量いれて出してくれました。ワイングラスでいただくと、香りも確かめられて非常によいですね。

オリーブオイルにはオレオカンタールという、抗炎症作用のある物質が含まれています。そのため、地中海沿岸地域では、のどが痛いときにオリーブオイルを飲むよう言われたりします。ちなみに炎症があるとしみますが、自分の体験としてはすごく効きました。

どうせ飲むなら美味しいのが飲みたい。このオリーブオイルならそのまま飲めます。オリーブオイル好きの方、こちらも忘れずにお試しを。
目次に戻る




おつまみも美味しい!

こちらの写真、プロシュート、チーズ、オリーブ、ビターオレンジのマーマレードに、上述のオリーブオイルを回しかけたもの。ほとんどが自家製、ホームメイドだそうです。

ワイナリーのあるモルナットでは、レストランも開いているメトコヴィッチ家。ワインとオリーブオイル以外にも自家生産しているものが結構あり、こちらのバーでもそれを提供しているのです。

育てている人、作っている人が自分も食べて、飲んで、美味しすぎて幸せ!と思っているものを存分に楽しめる。

世界中から美味しいもの、高級なものを集めて提供しているホテルやレストランなども、それはそれで快適だし、素敵なものです。でも、マルヴァシヤ・ワイン・バーで味わえるようなリアルさって、探してもなかなかないのです。このリアルさこそが、体験するラグジュアリーの本質のような気もするんですよね…。

なお、おつまみの量は多すぎず、不足もなくで、小腹はすいたけどしっかりご飯まではいらない、という時にちょうどよいです。

ビターオレンジで作られた大人っぽいマーマレードは、チーズ、プロシュートにつけて食べるととっても美味しい。クロアチアのプロシュートはさほど塩分が強くなく、癖もなく、そのまま食べても十分美味しいですが、マーマレードやイチヂクのジャム、オリーブオイルなどと合わせるのもおすすめ。

マルヴァシヤ・ワイン・バーはいつもいいプロシュートを置いているので、ぜひお試しになってみてください。
目次に戻る




アクセス

マルヴァシヤ・ワイン・バーは、ドゥブロヴニク旧市街のメインストリート、ストラドゥン(プラツァ通り)からちょっと小道に入ったところにあります。

ピレ門から旧市街に入った場合は、旧港の方向へ向かってストラドゥン(プラツァ通り)を直進します。左側(スルジ山側)を気にしながら進み、OTP 銀行(緑色の ATM)、Burger Tiger、Kraš(クラシュ)のお菓子屋さん(Bonbonnière Kraš)、ザグレブ銀行(Privredna banka Zagreb、赤色の ATM)を超えたところで左折します。

こちらの通り(Dropčeva ulica)には、ワインバーが 2 件とアイリッシュバーが 1 件ありますが、マルヴァシヤ・ワイン・バーは真ん中のお店です。ストラドゥン(プラツァ通り)側にあるお隣のワインバーは、樽を使った背の高いテーブルと椅子なのに対し、マルヴァシヤ・ワイン・バーはダークブラウンの背の低いテーブル籐椅子なのが目印。

ワイン大好きな方、ダルマチアのワインを知るには欠かせない本に Dalmatia Wine Stories というのがあります。こちら、クロアチアワインの専門家の Željko Garmaz(ジェリコ・ガルマズ)さんが執筆されたもの。この本もこちらのバーで買うことができる(と思います。在庫があれば!)ので、もしご興味あればおたずねになってみてください。

旅に行く予定はないけど本には興味ある…という方、こちらのページの問い合わせフォームからご連絡ください。日本に送ってくれるか、お支払いはどうすればいいかなど、ゲルダさんに聞いてみます。
目次に戻る

Leave a Reply

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

Copyrighted Image