クロアチアのオリーブオイル

クロアチアのオリーブオイル

ここ数年、連続して国際的なコンテストの上位入賞作品を続々と送り出し、良質なオリーブオイルの産地としての認知度が高まりつつあるクロアチア。

今回は、まだ日本では未発見と言ってよい、知られざるクロアチアオリーブオイルについてご紹介します!


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iStock. by Getty Images ポートフォリオ: marimjx
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Olive
Olive – Image Credit: Thomas Kohler via Flickr

クロアチアのオリーブオイル: 概要

オリーブオイルの産地としては、まだ国際的には知名度の低いクロアチア。しかし、実は、非常に長い歴史をもつ、由緒ある生産地。なんと、青銅器時代の遺跡からオリーブの種が出土しており、当時から、オリーブが身近な食材だったようです。

さて、クロアチアのオリーブオイル。品質は高いものの、生産量は限られており、すぐ近くのオリーブオイル大国、イタリア、スペインなどに比べ、オリーブオイルの生産国というイメージがあまりありません。

しかし、近年、そんな流れにも変化が生じつつあります。クロアチア産のオリーブオイル、品質で高い評価を受け、国際的なコンテストなどでも最高ランクの賞を数多く受賞するようになってきたのです。

例えば、世界最大の規模と権威を誇るニューヨーク国際オリーブオイルコンペティション 2016(New York International Olive Oil Competition)。

26 カ国から 820 ものオリーブオイルを集め、品質を競いあったこのコンペティションで、クロアチア産オリーブオイルはなんと 3 種が金賞、6 種が銀賞を受賞。そしてクロアチア国内のオリーブオイル一大産地であるイストリア地方は、最高のオリーブオイル産地という評価も受けました。

また、日本で開催された国際エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル・コンペティション(International Extra Virgin Olive Oil Competition – Olive Japan 2016)では、600 種の中からクロアチアのオリーブオイル 10 種が受賞を果たしました(金賞: 9,銀賞: 1)。

また、2016 年、2017 年連続で、クロアチアのイストリア地方は「オリーブオイルのバイブル」と称される「Flos Olei」のカタログで、世界トップのオリーブオイル産地として認定されています。
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クロアチア産オリーブオイルの入手方法

残念なことに、クロアチア産オリーブオイルは、クロアチアのスーパーなどではほとんど売られていません。

EU に加入してから、EU 各地の大量生産地から安価なオリーブオイルが流入。手作業が多い分、やや割高になる国産オイルは、あまりスーパーに置かれなくなってしまったのです。

それでも、イストリア地方など、平地があり、一定の品質での大量生産が可能な地域はまだまし。ダルマチア地方など、産地の谷間や傾斜地で細々と昔ながらのオリーブ生産を続ける場所では、値段は更に割高になります。

「Dalmacija(ダルマチア)」など、いかにもクロアチア風の名称がついていても、ラベルをよく見ると産地は「EU」。EU の複数の産地のオリーブオイルを混合し、瓶詰めだけクロアチアだったりするものがほとんどなのです。そのため、クロアチア産のオリーブオイルを入手したいのであれば、スーパーではなく、別の場所に行った方が、見つかる可能性が高い!

主な方法は次の通り。きちんと探せば、本当にクロアチア産のおいしいオリーブオイル、きっと見つかると思います。

  • Uje などのオリーブオイル専門店(*1) に行く(一番確実)
  • 地元の市場に行き、周辺の農家が自家用に作ったうちの余剰を出品している手作りのものを買う(おすすめ)
  • 大型のスーパーで根気よく探す(ないことが多い)

(*1) ドゥブロヴニクではストラドゥン(プラツァ通り)沿いを始め、数店舗  Uje の店舗があり、スプリットには Uje Oil Bar (※TripAdvisor のページが開きます)というレストランもあります。おしゃれで人気のあるレストランです。
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国際オリーブオイルコンペティション 2016 で金賞を受賞したクロアチアのオリーブオイル

  • Plominka by UTLA (生産者: OPG Branko Jud
    • クルク(Krk)島固有のオリーブ 1 種のみを使用した珍しいオリーブオイル。ローマ時代から愛されてきた品種だそうです。爽やかな青草のような香りに強いオリーブ果実の風味、苦味とぴりっとした辛味が特徴。オリーブは全て手摘み、収穫日にコールドプレスします。厳格な基準のもとに生産管理を行っており、生産量はごくわずか。貴重な逸品です。
  • Grimalda Moulin De La Colline Dorée(生産者: OPG Matković Milan)
    • 緑色の強くでたきれいな色味のこのオリーブオイルは、イストリア半島中央の高地で生産されています。3 種類のオリーブを使用し、伝統的な製法に則って栽培から収穫、オイル搾り、瓶詰めまですべて自家農場で行っています
  • Salvela Buza(生産者: Agroprodukt)
    • イストリアで広く栽培されている Buza 種のオリーブを使用したオリーブオイル。アーモンドとハーブのような香りが特徴的。イストリアでの Buza 種のオリーブの栽培は 2000 年前、ローマ時代まで遡ることができ、この地域で作られた印のついたオリーブオイルが入っていた樽などがローマ帝国の各地から発見されています。
      言ってみれば、このオリーブオイルを通して、まさに歴史そのものを味わえるようなものではないでしょうか。なお、Agroprodukt ではオリーブオイルの他にワイン、フルーツ、野菜、ラヴェンダーなどの栽培も行っています。

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高品質の秘密

ワインと同様、クロアチアのオリーブオイルも、厳しい自然に適応した固有種を使ったオリーブで小規模生産されることが多く、栽培される土地の地形や土壌、天候によって、隣り合う土地でも大きく性質の異なる製品が生み出されています。

また、アドリア海沿岸北部のイストリアと南部のダルマチアはいずれもオリーブオイルの生産の盛んな地域ですが、製法や栽培方法には大きな違いがあります。比較的なだらかな地形に恵まれ、ある程度の規模の土地を確保したオリーブ畑がつくれるイストリアに対し、ダルマチアはリアス式海岸の高低差の激しい土地をうまく活用する必要があるため、オリーブの植え方一つにしても、規則的に一定の間隔で植えるのではなく、バラバラあちこちに生やしているような雰囲気の畑になります。

なお、オリーブオイル生産に関わる現地の人によると、品質を重視するクロアチア国内のオリーブオイル生産者の中には、見栄とプライド、競争心と商業的成功への希望をかけて品質向上にこだわりぬいている方もいるらしく、手摘みはもはや当たり前、最高級オイル用のオリーブに至っては、最適の時間に収穫を行うため前夜から畑に泊まりこむようなことまでしている場合もあるとか。

また、小規模、家族経営のオリーブ農家が多い上に、高低差が激しく機械化が難しいという事情も、品質の維持に一役買っています。結果として、大量生産はできない代わりに、大量生産している大規模な業者には太刀打ち出来ないレベルの品質を追求することができるのです。
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