2 月 2 日 〜 5 日: 聖ヴラホの祭典 → 城壁も入場料無料になります

2 月 2 日 〜 5 日: 聖ヴラホの祭典 → 城壁も入場料無料になります

中世、ルネサンスの影響を受けて花ひらいた豊かな文化から「クロアチアのアテネ」とも呼ばれたドゥブロヴニク。現在も、一年を通して数々のお祭りや記念行事の行われ、伝統行事が大切に守られてきています。

そんなドゥブロヴニク「最大規模のお祭」といえば、7 〜 8 月、45 日間に渡って行われるドゥブロヴニク・サマー・フェスティバル。しかし、「一番重要なお祭」となると、これは間違いなく、2 月 2 日から 2 月 5 日に行われる聖ヴラホの祭典。今回は、この聖ヴラホの祭典についてご紹介します。


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聖ヴラホの祭典とは

ドゥブロヴニクの守護聖人ヴラホのために行われるこの祭典は、UNESCO の無形文化遺産にもなっており、観光都市のイメージの強いドゥブロヴニクの、歴史の中に生きる街、人々が伝統を受け継ぎ、今を紡ぎ出す街としての姿が見られる、たいへん貴重な機会です。

歴史も非常に古く、このお祭が始まったのはなんと 972 年。日本でいうと平安時代です。京都、祇園の大祭が始まったのが 970 年だそうなので、ほぼ同じくらいの歴史があることになりますね。

物価や地価の高等により、残念なことに地元の人の流出の続くドゥブロヴニクですが、この時ばかりは、今、昔のドゥブロヴニク住人、そして近隣の町、村、集落から多くの人が聖ヴラホのために旧市街に集結します。聖ヴラホの日、2 月 3 日には、ストラドゥン(プラツァ通り)は群衆に埋め尽くされ、聖遺物の納められた銀の手を掲げ持つ司祭のパレードを熱狂的に迎えます。

夏の間、ストラドゥン(プラツァ通り)を人が埋め尽くすとなると、そこにいる人の大部分は観光客になるのですが、この時ばかりは別。この群衆の大部分は地元(中世ドゥブロヴニク共和国版図に含まれる周辺地域含む)の人々。伝統と信仰心に基づく静かな熱とが溶け合い、なんだか時の境目まで霞むようです。

ドゥブロヴニクの人々にとって、聖ヴラホは本当に特別な存在。中世ドゥブロヴニク共和国の末裔の誇りを支える、自由を何よりも尊ぶ精神の象徴なのです。それがよくわかるのが、この祭典。そういうことです。
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祭典の内容

聖ヴラホの祭典は、聖ヴラホの日の前日、カンデラリアの聖母の日である 2 月 2 日から始まります。この日、ドゥブロヴニク大聖堂では、平和と自由の象徴である白い鳩が放たれ、聖ヴラホ教会では、2 本が交差したような独特のキャンドルをともしたミサが行われます。

ちなみに、聖ヴラホはドゥブロヴニクの守護聖人であるとともに、喉の守護聖人でもあるので、このキャンドルで喉を祝福する儀式、「グルリチャニェ(grličanje)」には喉の不調を癒やしたり、喉の病気を防いだりする意味があるのだそうです。また、この日のランチには伝統的に「汚いマカロニ(シュポルキ・マカルリ: Šporki makaruli)と呼ばれる、シナモンの入ったミートソースのパスタを食べます。地味で控えめな家庭料理で、貧しい暮らしをする人々に心を寄せ、食の足りる日々に感謝するという意味があるのだとか。

聖ヴラホの日、2 月 3 日は、深紅のベレー帽、ケープ、ブーツに白いシャツ、黒いパンツの伝統衣装に身を包み、短銃を担いだフェスタニュリ(Festanjuli)と呼ばれ得る護衛が、旧市街に入る前に空砲を撃つところから始まります。ドゥブロヴニクではフェスタニュリを務めることは非常な名誉とされていて、ドゥブロヴニクの地元出身者でないと、この栄誉を担うことはできません。

さて、このフェスタニュリの続き、近隣の集落から、それぞれの集落の教会旗が、これも選び抜かれた担い手に担がれて運び込まれてきます。プロチェ門、ピレ門から東西それぞれの集落の旗が迎え入れられ、共に聖ヴラホ教会に進むのですが、ここで決まった形で旗を振り回す伝統があります。これにはかなりの力と技術が必要なんだそうで、これを任されるのもまた非常に名誉なことだそうです。

これらの旗は、最後にそれぞれ祝福してもらって、また各地の教会に帰っていきます。そして、1 年をご加護の中で過ごし、また来年、この祭典にやってくるのです。

聖ヴラホ教会からは、聖遺物の納められた銀の手などを掲げた司祭が出てきて、旧市街を練り歩きます。この際、道に詰めかけた人々が祝福してもらって、この手を撫でたり、キスしたりします。初めて見ると、なかなか日本ではそういった形で信仰を形として見ることがないので、ちょっと驚いてしまうかもしれません。

でも、これもまたドゥブロヴニクの姿。見えないところで、聖ヴラホへの熱い信仰心は、ドゥブロヴニクの街の精神をずっと支え続けているのです。

なお、中世においては、聖ヴラホの祭典前後の一定期間、特例として、罪人でも捉えられる恐れなく祭典にやってきて、参加し、祈り、祝福を受けられることになっていたそうです。そして、この赦しの期間が設けられていることで、市民の間の諍いが話し合いなどの穏やかな形で解決される結果につながることもあったのだとか。
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城壁の入場料

さて、入場料の件です。2017 年は、聖ヴラホの祭典の行われる  2/2 〜 2/5 の期間、城壁の管理をしている「ドゥブロヴニク アンティークの友」という市民団体が入場料を無料にしてくれることになりました。

しかも、ドゥブロヴニクの城壁だけでなく、ストンの城壁、そしてコナヴレにある鷹の要塞(Sokol Fortress/ Sokol Grad)も入場無料です!こんな機会はめったにないので、この期間中にドゥブロヴニク周辺にいるかた、ぜひ、城壁を存分に満喫なさってください。とってもラッキーですね!!
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