ドゥブロヴニクから車で 30 分: コナヴレの遺跡郡

ドゥブロヴニク近郊の都市、ツァヴタットとその周辺地域は、非常に古くから人が住んでいた地域。遡ると実に旧石器時代から!そのため、今でもたくさんの遺跡があちこちに残っています。

そのうちの多くは現在のところ全く観光地化されておらず、普通の観光客が行かないような、時に忘れ去られたレアでリアルな遺跡のまま。歴史に興味のある方は、ヨーロッパ有数の観光地、ドゥブロヴニク訪問ついでに、こういった遺跡まで足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。


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コナヴレとは

コナヴレとは、クロアチア最東端にある自治体で、ドゥブロヴニクと、隣国モンテネグロの間の地域にあたります。
ドゥブロヴニク空港のあるチリピという村があるのも、ここコナヴレ。

中心地はツァヴタット
2 つの半島に挟まれた湾を望む、こぢんまりとして静かな旧市街があり、ドゥブロヴニクとは路線バスまたは高速ボート(※シーズン中のみ)で気軽に行き来することができます。

コナヴレは農業の盛んな地域で、ドゥブロヴニクの食卓を支える存在です。
地形としては山地と盆地なので、広々とした農村が広がっているわけではないのですが、その盆地部分には穀物と野菜、山の斜面にはブドウやオリーブの畑が広がる、とても美しい場所。
牧畜も盛んで、特に羊やヤギが多く飼われています。

ドゥブロヴニクの旧市街から 30 分程度なのに、次のような魅力にあふれる、とても素敵な場所です。

  • ちょっと奥の方(モンテネグロやボスニアとの国境の方)に行くと、イノシシ注意の看板が立っている(けっこうたくさんいる)
  • ジャッカルがいて、家畜が盗まれてしまうことがある(夜は屋内に入れないと危ないらしく、狼と戦うための超強そうな大型犬が飼われていたりする)
  • そのまま飲んでも大丈夫な湧き水(※飲用ミネラルウォーターの取水所になっている)が滝になっている
  • クロアチア有数のインスタ映えスポットとしてヨーロッパランキングの常連になっている隠れビーチがある(隠れすぎていて簡単には行けない)
  • 渓谷があり、現役で使用されている粉挽き用水車もある
  • 山なのに海のすぐ近くなので、山の幸、海の幸を一気に味わえる
  • 遺跡がありすぎ、小規模なものはほとんどが放置されている

コナヴレ地区の主な遺跡

コナヴレで一番古い遺跡と言えるのは、なんと、空港の地下の洞窟にある、旧石器時代の住居跡!
空港の地下に洞窟があって一般公開されているのと、そこが旧石器時代の住居なのと、どちらにより驚いたらいいかわからない。
※2020 年 2 月時点では、空港の整備のためクローズしています。

旧石器時代から人の住んでいたこの地域、あちこちに様々な時代の遺跡が点在し、そのほとんどは観光地化されていなくて放置されています。

主なものをあげるとこんな感じです。

  • 青銅器〜鉄器時代
    • イリュリアの石組(Ilirske gomile)
    • 場所: ミクリチ(Mikuliči)
  • 古代ローマ時代
    • ミトラ教祭祀場跡(Mitrej)
    • 場所: モチチ(Močići)
  • 11 〜 12 世紀
    • 聖ディミトリウス教会(Crkva Sv. Dimitrija)
    • 場所: ガブリリ(Gabrili)
  • 14 〜 15 世紀頃
    • 暮石群(Stećci)
    • 場所: ブロトニツェ(Brotnice)
  • 14 〜 15 世紀頃(※ただし要塞の基礎ができたのはギリシャ時代)
    • 鷹の要塞(Tvrđava Sokol / Sokol Grad)
    • 場所: ドゥブラヴカ(Dubravka)
  • 19 〜 20 世紀
    • ハプスブルグ帝国の鉄道跡
    • 場所: ミハニチ(Mihanići)

鷹の要塞は観光スポットとしてきちんと整備されていますが、それ以外は遺跡と知らなければ普通のお墓、教会、または石ころに見えるため気づきにくいです。
しかも、観光地になるという意識もないため、アクセスも困難です。
個人宅の敷地の中にある、というケースもありますし。

行ってみたい場合は、ツアーを利用するか、ツァヴタットの観光案内所に立ち寄り、地図をもらって、遺跡への行き方を確認してからにしましょう。
なお、ドゥブロヴニクまたはツァヴタット発のツアーには、上記いくつかを回れるものもあります。

日本も、長い歴史があり、日常生活の中でも伝統や歴史を感じる瞬間というのはけっこうある国ですよね。
でも、なかなか古代ギリシャ、古代ローマといった時代から残っているものというのは少ないです。
世界史の教科書でしかお目にかかったことのない世界がここにあり、その時代のものが普通に野ざらしになっていて、毎日見る風景の中に入っている。
これにすごいロマンを感じてしまうのは、筆者だけでしょうか…?

遺跡にいかないとしても、コナヴレは世界コンテストで金賞をとったワインを作るワイナリーや、お肉も野菜も自家製の、素材の味の美味しさがガツンとくるおいしい地元料理のレストランもある、とてもよいところです。
ドゥブロヴニクにしばらく滞在するのであれば、ぜひコナヴレにも足を運んで、渓谷の透き通った水を眺めながらゆっくりコーヒーを楽しむ時間をすごしてみてくださいね!