ドゥブロヴニク旧市街の観光スポット: ドゥブロヴニクの城壁

ドゥブロヴニクといえば、「アドリア海の真珠」というニックネームの元にもなった、旧市街をぐるっと取り囲む中世の城壁がよく知られています。城壁の上は歩くこともでき、ドゥブロヴニク訪問時に欠かせないアクティビティの一つにもなっています。

今回は、ドゥブロヴニクを代表する建築、城壁について、詳しくご紹介します!


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ドゥブロヴニクの城壁とは

ドゥブロヴニクの城壁: 基礎情報

ドブロブニクといえば、「アドリア海の真珠」というニックネームの元にもなった、旧市街をぐるっと取り囲む中世の城壁がよく知られています。
この言葉は、石灰石で作られた白い城壁がアドリア海の青に映える様を真珠になぞらえたものなのだそうです。

城壁の大きさ、料金などは次の通り。

  • 全長: 1980m
  • 最高地点の高さ: 25m
  • 1 周にかかる所要時間: 約 1 時間
  • 入場料金: 200 Kn(*2020 年)

ドゥブロヴニクの城壁は、大地震や戦火により、何度となく傷つけられてきました。
しかし、地元市民の根気強い修復・保持の努力により、これだけの歴史を持つ建造物としては、世界でも有数の良好な保存状態を誇っています。

ドゥブロヴニクの城壁: 成り立ちと構造

城壁の建設の始まりは、諸説ありますが、ドゥブロヴニクが街として形をなしてきた 7 〜 8 世紀ごろには、木造ではあったものの、ある程度の壁はつくられていたという説が有力です。
はっきりした年代は不明ながら、数世紀をかけ、幾度かの籠城戦を経験する中で、現在の堅牢な姿になったことには間違いないようです。

ドゥブロヴニク周辺は、アドリア海でも特に高波が発生しやすい場所なので、もともとは、ドゥブロヴニクの城壁は波よけの壁としてスタートしたと言われています。

参考までに、2019 年に、この地域での高波の記録が 30 年ぶりに更新されたんですが、この時の波の高さが 10.87 m。
一般的なビルの 4 階くらいの高さになりますが、これが特にハリケーンや地震などではなく、冬場の悪天候の中で記録されたというところがまたびっくり。

管理人
この時は、実際、海面から 20 m 近くある壁を超えて、旧市街に水しぶきがちょっと入ってくるくらいでした。

「波よけの壁」というのがすごく納得いきました…

さて、現在に残る堅牢な石造りのドゥブロヴニク城壁は、「城壁」と名はついていますが、単なる壁ではありません。
城壁の中に複数の要塞、塔、武器の鋳造所などが組み込まれた、中世最先端の都市防御システムなんです!

しかも、旧市街をぐるっと取り囲む城壁のすぐ外側には、離れのような形で独立した幾つかの要塞(ロヴリェナツ要塞・レヴェリン要塞)を配し、城壁の最大の弱点、開口部となっている門の防御もバッチリ。

また、陸から砲撃されやすい場所については、より古い、まっすぐで分厚い壁の外側に、曲線を描く、少し背の低い壁を二重に作ってあります。
これは、砲撃による大崩壊を防ぐための工夫。

壁がまっすぐだと、城壁の根本に近い部分が砲撃でひどいダメージを受けた場合、広範囲にわたって壁が崩壊してしまう可能性があります。
しかし、壁が曲線を描いていると、崩壊は砲撃された箇所周辺の凹凸部分に限定され、広範囲に広がる事がありません。

管理人
万が一のケースを計算に入れて、幾重にも防御の層を重ねた構造なんですね。

頭いい!

実際、これら外側にある要塞も合わせて城壁の一部と見なされているため、英語やクロアチア語だと、単数形の「Wall」ではなく、「Walls of Dubrovnik」と複数形で総称される習わしになっています。

ちなみに、ドゥブロヴニク旧市街の城壁には、ドゥブロヴニク共和国時代に作られたピレ、プロチェ、ペスカリヤ、ポンテの 4 つの門と、共和国が滅亡してから後付けされたブジャ門が設けられています。

旧市内へはこのいずれかを通って入るのですが、共和国時代の陸路の門はすべて二重構造。
うっかり外側の門が破られても、内門に到達する前に徹底攻撃をしかけて侵入を防げるようになっています。

実際は武力で外門を破られたことはないのですが、銃眼だらけの内門を見ると、「入ってこなくてよかったね」という気持ちになります。

管理人
今はその無数の銃眼は、猫やら鳩やらのお家になっています。
平和的な目的で活用(?)されることになって、よかったですね😍

ドゥブロヴニク城壁の観光ポイント

ドゥブロヴニクの城壁は、一周ぐるっと徒歩で回ることが可能です。

城壁へ登る入り口は数箇所ありますが、わかりやすいのはピレ門から旧市街に入ってすぐ、旧市街のメインストリート、ストラドゥン(プラツァ通り)を正面、オノフリオの噴水を右に見て、左側にある入口。
フランシスコ会修道院の壁と城壁の隙間にある鉄柵が入り口になっています。

鉄柵の奥にチケット売り場があり、チケットの購入もできますし、ドゥブロヴニク・カードを見せてチケットを受け取ることもできます。
ドゥブロヴニク・カードだけでは入ることはできず、一度チケット売り場でカードを見せて、チケットをもらう必要があります。

2020 年の城壁入場料

入場料は年々値上がりしていて、2020 年のお値段は 200 クーナ。
ここ 5 年で 2 倍に値上がりしているのでちょっとお高く感じますが、ドゥブロヴニク旧市街とアドリア海を一望できる眺めはやっぱり圧巻。

今後も値上がりが続くことが予想されるので、今のうちに一度は体験していただきたいところではあります。

なお、城壁の入場チケットは、ピレ門外にあるロヴリェナツ要塞の入場チケットとして、同日中であれば、追加料金なしでそのまま使えます。

なお、ほんの数年前までは、ドゥブロヴニク・カードを買わずに城壁に入ってもよかったと思います。
しかし、城壁の入場料がぐんぐん上がっているため、今ではドゥブロヴニク・カードを買ったほうがお得になることが多くなりました。

ドゥブロヴニク・カードは、オンラインで事前購入するとちょっとお値引きがありますし、全体としてみてお得度が増しているのは間違いないです。

進行方向とチェックポイント

さて、チケットを入手して城壁に上がったら、まず注意すべきなのは進行方向。
時計と逆周りにしか進んではいけないことになっているので、階段を登ったら左に進むのが正解です!

城壁には 3 箇所チェックポイント/出入り口があり、どこから出入りしても問題ありません。
チェックポイントではチケットのチェックが行われるので、城壁を歩く間、チケットはちゃんと持っておきましょう。

チェックポイントは次の通り。

  • ピレ門脇
  • 海洋博物館前
  • 受胎告知教会(セルビア正教会ではない方。プロチェ門から旧市街の中に進む坂の途中にあります)

もし時間の都合などで、城壁全部ではなく半分だけ周りたい時は、進行方向を考えて、山側の半分を選ぶか、海側の半分を選ぶか先に決めましょう。
海側を歩きたければピレ門脇、山側なら海洋博物館前から入るとちょうど半分歩ける感じになります。

ちなみに、山側の方に城壁の最も高い地点であるミンチェタ・タワーがあるので、眺め優先ならそちらがおすすめ。

ミンチェタ・タワーは Game of Thrones の撮影ロケ地でもあるので、ファンの方もぜひ。
撮影シーンはシーズン 2 エピソード 10 の House of the Undying です。
Qarth 滞在中、ドラゴンを盗まれたダニーがドラゴンを取り返しに行くところですね。

管理人
ロケ地巡礼の Game of Thrones ファンには見逃せないポイント!

城壁を歩く際の注意点

服装

城壁はずっと石畳&階段です。
天候や場所によっては滑りやすいところもあるので、運動できる靴、歩きやすくて滑りにくい靴を履いていきましょう。


日焼け&熱中症対策

城壁のほとんどの場所が、遮るもののない炎天下(晴れていれば)です。
ただでさえ眩しいのに、海からの照り返し、足元の白い石灰岩の城壁からの照り返しで日光パワー 3 倍!

日焼け止めをしっかり塗って、お水もちゃんと持って、何なら扇子なども持っていきましょう。

日傘については、混雑具合によっては大変迷惑になるので、状況を見て判断するようにしたほうがいいと思います。
身長的に、わたくしたち小さめ民族が日傘をさすと、大きい人達の顔あたりに傘のフチがいってしまうんで…。

管理人
すごく危ないので、帽子とサングラスのほうがよいかなと思う次第です。

それから、肌が日にさらされていなくても、目に紫外線が入ると日焼けは起きます。
日焼けを防ぐには、UV カット効果のあるサングラスも大事です!

ただ、もちろん、人があまりいない、危なくないところで日傘をさすのは問題ないです。
日傘の使用はあまり一般的ではないですが、直射日光下で日陰が欲しくなる気持ちは皆理解できるし、欧米の方でも、夏などは日陰を求めて雨傘をさしている人もたまに見ます。


城壁に登る前にお手洗いをすませる

城壁の途中にも、喫茶コーナー的な場所がありお手洗いはあります。

ただし、時間帯やシーズンによってはものすごい混雑になり、お手洗いが我慢できなくてやむなく城壁を途中で諦める…なんてことも。
できるだけ、城壁に登る前にお手洗いはすませておきましょう。


チケットをなくさない

上にもちょっと出てきましたが、城壁には数箇所チェックポイントがあり、都度チケットを確認されます。

チケットは大事にしまっておいてなくさないようにしましょう。

また、このチケットは、そのままロヴリェナツ要塞の入場券として、追加料金無しで使用することができます(同日内のみ)。
ロヴリェナツ要塞も素晴らしい絶景ポイントなので、時間があったらぜひぜひ行くべき!

そのためにも、チケットは大事にしまっておいてくださいね。


ドゥブロヴニク城壁マラソン

毎年 4 月末または 5 月頭くらいに、ドゥブロヴニク旧市街周辺を舞台としたマラソン大会があります。

これは、ハーフマラソン、城壁ラン、5 km チャリティ・ラン、子ども達のかけっこの 4 タイプのコースがあり、6000 人(うちランナーは 300 名超)もの観光客が訪れる一大イベント。

走りたい!参加したい!という方、ランナー登録のお申し込みは公式サイトからどうぞ。
単に眺めるだけなら普通に来ればいいので、特に申し込み等は必要ありません。

ただし!!

このイベントの日は、旧市街周辺の交通が規制され、車で旧市街に来るのが非常に難しくなります。
空港からのシャトルバスも、しれーっと旧市街をスルーして、ドゥブロヴニク市のはずれにあるグルージュ港長距離バスターミナルまで行ってしまうので、そこは注意が必要。

筆者、過去 2 回ほど、うっかりこの交通規制にひっかかって大変な思いをしております…。
4 月末から 5 月頭、ちょうどゴールデンウィークで旅行を予定されている、という方も多い時期ですので、皆さん公式サイト事前チェック、おすすめします!


城壁ツアーもあります

城壁の観光は、自力でも簡単にできるものですが、城壁込の現地ツアーに参加するのも、実はかなりおすすめ。

ドゥブロヴニクは、前述の通り、ここだけで独立した共和国となっていたため、クロアチアの他の地域とは全く別の歴史を持っています。
言語や文化、性格などでも違いが大きく、クロアチアの他の地域からは「クロアチアの中の外国」的な扱いをされることもあるほど。

そんな歴史があるため、ドゥブロヴニクには歴史上の面白いエピソードが非常に多くあります。
筆者にとっては、ドゥブロヴニクの最大の魅力は、その目に見えない歴史を知った時に、目の前にある建物や街が、突然全く違ったものに見えてくるところにあるくらいです。

ガイドさんも地元愛にあふれた方が多くて、こちらが街そのものに興味を持っていることを示すと、どんどん面白いエピソードを繰り出してきてくれます。
ツアーは英語の物がほとんどで、日本語のものはほとんどありませんが、英語が多少でもわかるのであれば、ぜひ。

クロアチアでは、ガイドさんも英語ネイティブではないことが多いので、使うボキャブラリも高度過ぎず、口語的でわかりやすいものが多いですよ。