英国のギルド・オブ・ファイン・フード(Guild of Fine Food)(※ ← 音が出るのでご注意を)主催のワールド・チーズ・アワード(World Cheese Awards)2016 で、クロアチア パグ島のチーズ 4 品が金賞、銀賞、銅賞に輝くという快挙達成です!
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パグ島のチーズ
パグ島は、アドリア海北部に浮かぶ、クロアチアで 5 番目に大きく、とっても細長い島。島の大部分はむき出しの石灰岩が続く白い荒野のようになっています。
そのため、地図を航空写真に切り替えると、アドリア海と周囲の土地の森の緑の中、パグ島だけひときわ白く浮き出しているように見えます。
さて、このパグ島、2 つのことでとっても有名。
1 つ目は、今回ワールド・チーズ・アワードを受賞した製品を含めて、ここだけで生産される美味しい羊乳チーズです。
2 つ目は、なんと、刺激的なナイトライフ!
パグ島はパーティーアイランドとして近年熱い注目を集めており、クラブが集中するズルツェ(Zrće)ビーチにはヨーロッパを中心に世界中からパーティーピーポーが集結します。
今では、同じくパーティーで有名なスペインのイビサ島になぞらえ、「次世代のイビサ島(The New Ibiza)」と呼ばれるほど。
これらのパーティービーチ以外は、のんびりして極めて牧歌的な土地なので、対比がとても面白い。なんともユニークな土地です。
さて、そんな相反する魅力を併せ持つパグ島。
ここで生産されるチーズ、パシュキ・スィル(Paški Sir)はクロアチア国内外で非常に高い評価を受けており、地元でもとても人気があります。
パシュキ・スィルは羊乳 100% のハードチーズ。
羊乳のチーズといえば、日本ではイタリアのペコリーノ・ロマーノなどは比較的入手しやすく、ファンも多いですよね。
パグ島のパシュキ・スィルも同系統ですが、色味はずっと黄色が強く、香りがとてもよいのが特徴。
ナチュラルな塩味があり、ハードチーズながら独特のクリーミーさも持ち合わせています。
癖はあまりないものの個性がある、食べやすいのにとんがったところのあるチーズといいますか。非常においしいです。
この独特の個性は、パグ島という、強い海風が吹き付け、塩分含有量が高く(※パグ島には塩田もあります)土壌が痩せていて乾燥しがちという、厳しい風土から生まれるものだと言われています。
ここでは一般的な牧草が育ちにくいため、羊たちが食べる草には、この風土でも生き延びることのできる、塩分や乾燥に強く、岩場で育つ強靭なハーブ類が多く含まれます。
この中にはセージ、ニガヨモギ、イモーテルなど、料理や飲料の香りづけや味つけ、またはエッセンシャルオイルとしてスキンケアなどに利用される香り高いハーブが多く、これを食べて育つパグ島の羊の乳には独特のアロマが生まれるのだとか。
パグ島のチーズは、クロアチア国内の様々なところで販売されています。
レストランのメニューにも載っていることが多いので、もし見かけたら是非挑戦してみてくださいね。癖が強すぎるチーズは苦手、という方でも、美味しくいただけるのではないかと思います!
受賞したチーズ
PAŠKI SIR | Super Gold
スーパーゴールド(最高評価) |
PAŠKA SIRANA d.d |
Paški sir ekstra stari | Silver銀賞 | Sirana Gligora |
Paški sir iz maraske | Silver銀賞 | Sirana Gligora |
Paški sir | Bronze銅賞 | Sirana Gligora |